新潟の駅ホームに自習室、一体なぜ… 鉄道会社の明かす「設置エピソード」が胸熱だった
新潟県の駅ホームに自習室を発見。開設までのエピソードが何とも感動的だった。
1月13日と14日の大学入学共通テストを終え、受験生は2月の私立大学、国立大学の試験に臨む。最後の追い込みに向け、電車やバスの待ち時間も勉強にあてる学生も多いだろう。
ネット上では、新潟県に受験シーズンに最適な設備があると注目を集めていて…。
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■直江津駅のホームに自習室が
ことの発端は、昨年12月末に投稿されたあるX(旧:ツイッター)ユーザーのポスト。内容としては、新潟県上越市の直江津駅ホームに自習室があるというものだった。
受験シーズン真っ只中の現在、電車の待ち時間も惜しい受験生も多いだろう。記者が高校3年生だった頃も覚えがあるが、目的の電車が来るまで30分以上時間がある時、「駅の近くに勉強する場所があればいいのに…」ともどかしく思ったもの。
直江津駅であれば、駅の近くどころか駅ホームに自習室があるので、電車に乗り遅れる心配もなく、集中して勉強に取り組めるだろう。
■ネットで称賛の声
ちなみに、こちらの自習室は学生専用で大人は利用できない。まさに、学生のための空間だ。
学生の救世主とも言える設備はネット上でも話題に。「これは天才の発想」「このホームで勉強した学生は、地元を離れても忘れないと思う」「電車の中で高校生が一生懸命参考書読みながら勉強してる姿をよく見るし、素晴らしいアイデア」「これは是非、全国に展開して欲しい」など、称賛の声が続出。
件の自習室はいかにして誕生したのか。直江津駅を運営する「えちごトキめき鉄道」に取材したところ、何とも心温まるエピソードが明らかになったのだ…。
■自習室を設置した経緯
えちごトキめき鉄道の担当者によれば、直江津駅の自習室は2020年4月1日にスタートしたという。同駅は妙高はねうまラインと日本海ひすいラインが乗り入れるため、多くの学生が利用している。
担当者は、自習室を設置した経緯に関して、「学生の通学風景を見ておりました弊社の社長が、『学生の皆さんに将来、県内外や海外に向けて大きく羽ばたいてほしい』『直江津駅で次の電車を待つ時間に自習室で勉強した事も思い出の一つにしてもらえれば』と考え、設置することになりました。当該ホームには、待合室が2つあり、1つは古く使用していない状態だったため、リフォームして自習室を作りました」と、説明する。
学生が集中して取り組めるよう、冷暖房完備であることはもちろん、様々な配慮をしているようだ。担当者は、「現在学生の学習方法でスマホは不可欠なので、電気コンセントを各テーブルに設置しました。防犯面も考えて、カメラを設置し、駅改札口で確認できる設計にしてあります。室内は飲食禁止で清掃・整理整頓については、ご利用の学生自ら行っていただくようにしています」と話す。
駅員が掃除するのではなく、学生に任せることで自立心を養う狙いもあるのだろう。
■気になる学生の反応
20年4月といえば、新型コロナの感染拡大時期。開設から約4年経つが、自習室を利用した学生の反応も良好だという。
担当者からは、「密を避けて椅子の数を減らして利用人数を制限したり、消毒液の設置等を行いました。開設初日から学生の皆様からご利用いただき、現在も乗り継ぎ時間を利用して、活用していただいております」「酔客やいたずら等を心配しておりましたが、しっかり皆様にご案内することで、学生のみのご利用ルールを守っていただき、トラブルもなく現在に至っています。学生の皆さんには、テスト勉強等乗り継ぎ時間に利用できて大変喜んでいただいています」という笑顔のコメントが寄せられた。
昨年2月23日から、「はねうまライン」新井駅でも、ホームに面した会議室を学生に向けて、自習室「Study(スタディ)オアシス」として開放している。
駅ホームに自習室を設置する取り組みが全国に広がれば、学生達の電車の待ち時間も有意義なものになりそうだ。
■執筆者プロフィール
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。旧ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
今期の推しは、『正直不動産2』(NHK)、『院内警察』(フジテレビ系)、『不適切にもほどがある!』(TBS系)。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)