4つの腎臓を持って生まれた赤ちゃん 過去100例に満たない希少なケース
未熟児で生まれた赤ちゃんに、4つの腎臓があったとして話題になっている。過去に100例あるかないかの希少なケースだという。
妊娠5ヶ月の未熟児で生まれた女児が、過去100例以内に入るという腎臓が4つある赤ちゃんだった。『NewYorkPost』がレポートした。
■腎臓が4つある赤ちゃん
ブラジルに住むタリア・シルバ・アウベスさん(21)が昨年、妊娠5ヶ月で未熟児を出産した。赤ちゃんの名前はアイシスちゃんで、生まれつき4つの腎臓を持つ二重腎臓だった。
帝王切開で生まれたアイシスちゃんは、生後すぐに保育器で過ごしていたが、5ヶ月になると右上の腎臓が閉塞していることが分かり、手術で摘出。その際に、医師がアイシスちゃんには4つの腎臓があったことを初めて確認したのだという。
摘出された腎臓は大量の尿がたまっていたため、胃や腸が圧迫され食事が困難になっていた。検査室に送られ、詳しい分析が行われるそうだ。
■「妊娠中に異常があった」と医師
アイシスちゃんは未熟児のため、長期的な鎮静剤の使用で肺が脆弱になっている。13ヶ月になった今は感染症に弱く、インフルエンザにかかるとすぐに肺炎を起こしてしまい、頻繁に入退院を繰り返しているそうだ。
アイシスちゃんのようなケースは、妊娠中に胚の壁で腎策の分裂が正常に行われなかったことが理由で起こる、生殖異常だと考えられている。
しかし担当医師は、アイシスちゃんがタリアさんの子宮内にいた時から腎臓の異常を察知していたが、原因の特定には至らなかった。
また複数の腎臓がある人の中には、正常な腎臓と融合せず無症状のケースもあり、一生知らずに過ごすこともあるという。さらに1,000分の1程度の確率で、腎臓が1つしかない赤ちゃんが生まれることもあるそうだ。
■二重腎臓は人口の1%
二重腎臓の人は、世界でも1%と非常に少ない。数年前、イギリスに住むローラ・ムーンさん(当時18)が、腹痛を繰り返したため超音波検査を受けたところ、二重腎臓だとわかった。しかもそれぞれの腎臓は11センチの長さがあり、独立して正常に機能していたという。
担当医師は、「追加の腎臓が完全なのは非常に稀だ。おそらく100万分の1の確率というのが妥当だろう」と言及していた。
他にも二重腎臓が正常に機能していたある兄弟は、「4つの腎臓のおかげで、友人と酒をたらふく飲めたよ」と冗談まじりに話したそうだ。
そしてアイシスちゃんの母親であるタリアさんは、「娘はユニークです」と話し、できるだけ普通の生活を送ることができるよう心掛けているのだという。
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(取材・文/Sirabee 編集部・本間才子)