謎の“友人”から贈られたフグで男性が中毒死 素人がさばき命取りに
届いたフグを、人生で初めてさばいた男性が中毒で死亡した。送り主の正体は、誰も知らないという。
フグを自らさばき、調理して食べた男性が中毒になり死亡した。“友人”からの贈り物だったというフグは、誰が何のために送ったのかは判明していないという。『NewYorkPost』『FOX』が伝えている。
■男性がフグの中毒死
ブラジル東部に住むマグノ・セルジオ・ゴメスさん(46)が、1匹で30人ほどへの殺傷力を持つといわれるフグの毒により死亡した。ある日、友人からの贈り物だとして受け取ったフグだったという。
ブラジルには20種のフグの存在が確認されており、そのうち12種はゴメスさんの住む地域に生息しているそうだ。
ゴメスさんの妹であるミリオンさんは、「兄はこれまでフグをさばいた経験は一度もなかった」と語っており、どの種類のフグだったのかも不明だと証言している。
■強烈な中毒反応
ゴメスさんは友人と2人でフグを普通の魚と同様に解体したあと、内臓と肝臓を取り除いて茹で、レモン汁をかけて食したのだという。すると口の中が痺れだしたため、自ら病院に向かったが、到着の8分後には心肺停止状態に陥ってしまった。
アメリカ疾病予防管理センターの報告によると、特にフグや他の海洋生物の肝臓ないし生殖腺に由来する、非常に強力な毒であるテトロドトキシンに侵されたという。
テトロドトキシンは、有毒で致死性が高く解毒剤のない化学物質のシアン化物より1,000倍以上も毒性が高く、対抗手段がないとされている。そのためフグを食べたゴメスさんと友人は、1時間もたたないうちに重篤な症状に陥っていた。
■全身麻痺で死亡に至る
心肺停止状態になったゴメスさんは、生命維持装置により延命措置が施されたが、全身が中毒麻痺を起こしたまま35日後に亡くなった。一方で、重篤な状態だった友人は一命は取りとめたが、脚に問題を抱えているという。
アメリカ食品医薬品局は、毒性の魚を食した場合、多くは20分~2時間以内に初期症状である唇や口の中にしびれを感じ始めるという。続いてめまいに襲われ、体のバランスを失ったり、会話が困難になったりする症状を起こす。ひどい下痢や吐き気をもよおし、重篤に陥ると呼吸麻痺から死亡に至ると説明した。
日本では、フグは毒性のある魚でありながら珍味として珍重されてきた。年間平均50件ほどのフグ中毒による死亡者が報告されているものの、これらの大半は免許を持たない素人によりさばかれたケースだという。
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(取材・文/Sirabee 編集部・本間才子)