PayPay還元率をアップするお得な裏ワザ、その実践中「予想外の展開」に遭遇するも…
【鈴木貴博『得する経済学』】PayPayで還元率を1.5%にアップする方法。これを根気よく一年以上続けてきた筆者だが、あるトラブルで状況は一転。その挽回劇を紹介する。
「さすがに今月はもう無理だな」
1月21日のことでした。スマホでPayPayのアプリを見たところ、今月はPayPayをほとんど使っていないことに気づきました。
それには理由がありました。まず正月休みはたっぷり5日間、何もしないでゆっくり過ごしていました。外出しないので買い物もしません。ようやく始動した矢先に風邪をひいてしまい、成人の日の3連休は自宅で静養。週明けからも体調が悪い中で騙し騙し仕事をしていた関係で職場と自宅を往復するだけ。感覚的には15日頃からようやく今月の活動が始まった感じです。
それでPayPayの画面を見ると、1月21日時点でPayPayの利用回数は11回。利用金額は30,000円に届かない状態でした。
■状況は絶望的? でもあきらめる前に考えた。
以前記事で紹介したように、PayPayはPayPayカードの持ち主は通常ポイント1%還元ですが、一か月で30回以上を利用してかつ10万円以上利用すると翌月のポイント還元率がさらに0.5%上がります。10万円の利用で500円余計にポイント還元されますから、還元率アップで一日分の弁当代ぐらいは得します。
それでこの一年間、きちんと毎月、ポイントアップの条件を満たしてきたのです。ところがついに今月、まずいことになりました。一か月の残り10日で、あと19回、7万円以上を使わないとこの条件がクリアできません。
ですから、「今月はもう無理だな」と一瞬、弱音を吐きそうになったのです。しかし、私の本業である経営コンサルタントの脳がその弱音に警告を発します。
「あきらめた時点で負けは決まりだよ」と。
■自動車保険「前倒し更新」で条件1をクリア
あらためて本当にこの条件をクリアできないかどうかを検証してみました。
まず最初に検討した条件は、残り10日間で7万円を使う用事があるかどうか。条件クリアのために無駄なものを買うのは意味がありません。必ず買わなければならないものが7万円分あるかどうかをチェックしたのです。
スケジュールを見たところ、あいにく大きな支払いが起きそうな接待の予定は入っていません。飲食費では差を埋めるのは難しそうです。
一方で確実に支払いがあるのが電気代でした。電気代はPayPayカードで自動引き落としになっていて、これはPayPayの条件にカウントされる上に月末には必ず反映されます。この電気代で2万円はカバーできそうです。
残る5万円は? …と調べてみると3月に更新予定の自動車保険の支払いが5万円弱だということに気づきました。しかも自動車保険は1か月以上前に更新すれば早期更新割引がついてなおお得です。その日のうちに更新して10万円の条件をクリアする目途がたちました。
■毎日、行き帰り計画的に200円を使ったところ…
あとは残り10日で19回の支払いという条件が達成できるかどうか。これは計画的にコツコツとやれるかどうかの問題です。
PayPayの場合、1回とカウントされる買い物は支払額200円以上。わたしは毎朝、出勤時にヤクルトのY1000を160円で購入する習慣がありますが、それに65円の天然水のペットボトルを一緒に買えば200円にカウントされます。毎日必要な買い物で、それを出勤するたびにコツコツやれば8回は稼げます。電気代と自動車保険を加えればこれで10回カウントされますよね。
だとすればあと10日間、それ以外に毎日最低1回、支払いの際にPayPayを使えば残り19回の条件はクリアされるわけです。
そしてここが重要なことですが、1月はそのように計画したことをすべてコツコツとやりきることができました。1月29日に無事条件達成です。
戦略で一番大切なことは実行することだという本業の教えを、PayPayでも実行することができたのです。おかげさまで来月も無事、PayPayの還元率1.5%が続きそうです。
■著者プロフィール
Sirabeeでは、戦略コンサルタントの鈴木貴博(すずきたかひろ)さんの連載コラム【得する経済学】を公開しています。街角で見かけるお得な商品が「なぜお得なのか?」を毎回経済理論で解説する連載です。
今週は「PayPayの還元率アップをやり遂げる」をテーマにお届けしました。
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(文/鈴木貴博)