地下鉄で乗客同士のケンカ仲裁に入った男性が殺害 「君子危うきに近寄らず」の声も

音楽のボリュームをめぐり、地下鉄車内で乗客同士が口論に。なだめようと仲裁に入った男性が、命を落とした。

2024/01/27 09:30

地下鉄・東京メトロ

アメリカの地下鉄車内で、ケンカを仲裁しようとした男性が銃で撃たれ死亡した。『New York Times』『CBS  News』などが伝えている。


関連記事:レストランに押し入った強盗を客が殺害 「正当防衛」か警察が捜査を開始

■地下鉄車内でケンカ勃発

14日20時頃、ニューヨーク市在住の男性(45)が、友人とともに地下鉄に乗車した。この日、男性らは友人宅を訪れ、皆でアメリカンフットボールの試合観戦を楽しんだという。事件はその帰り道に起こった。

男性らが電車に乗り込んでしばらくすると、近くにいた乗客の男2人が口論を始めた。男Aの聞いていた音楽がうるさかったようで、男Bが注意したことにより、言い争いになったそうだ。

Aの様子について、スピーカーを持ち込み、周囲にお構いなしに音楽をかけていたと話す目撃者もいる。

関連記事:公園で見かける男性を失明させた男が逮捕 携帯電話で話す声に苛立ち…

■仲裁に入った男性死亡

騒ぎを聞きつけた男性が、2人の間に割って入りなだめようとしたものの、騒ぎは収まるどころかヒートアップ。そしてAまたはBのどちらかが、持っていた銃で男性を撃った。

すぐに救急車が呼ばれ、次の駅で待機していた救急隊によって男性は病院に搬送されるも、死亡が確認された。死因は、背中と肩を撃たれたことによる失血死だった。

関連記事:うたた寝男性に寄りかかれブチギレた乗客が肘鉄 暴行事件発生に地下鉄内は緊迫

■犯人は現在も逃走中

亡くなった男性の兄によると、男性には成人した子供が3人いて、孫2人にも恵まれた「おじいちゃん」だったという。

続けて兄は、「弟は困っている人を見かけたら、必ず手を差し伸べる心優しい人でした」「これはあまりにもひどい仕打ちです」などと、各社取材に語っている。

事件発生後、男A、Bともに現場から逃走。現時点で犯人が逮捕されたとの情報はないが、警察は目撃証言や犯人の情報提供を呼び掛けている。

関連記事:偶然通りかかった「別人」を殺害した男が有罪 元彼女の新恋人を狙ったはずが…

■男性の対応に否定的な声も

男性死亡のニュースが報道されると、ネット上では「仲裁に入ってくれた人に銃を向けるなんてあり得ない」「勇気ある人だ。迷惑な人をなだめようとしてくれた」「男性はヒーロー。善人が亡くなる話はもう聞きたくない」などと、男性を称賛する声が集まった。

一方で、「こういうのは警察の仕事。素人が対応するべきではない」「治安に不安のある都市で、ケンカの間に割って入るなど自殺行為」「単におせっかいなだけ。君子危うきに近寄らず」などと、男性の対応に否定的な声もある。

・合わせて読みたい→レストランに押し入った強盗を客が殺害 「正当防衛」か警察が捜査を開始

(取材・文/Sirabee 編集部・宮 ちてら

公共施設のマナー 話のネタ帳【Amazonでチェック】