2つの子宮で妊娠した女性が双子を出産 100万分の1の希少ケース
子宮が2つある女性が、双子を無事に出産。「100万人に1人」の確立という希少なケースだという。
2つの子宮を持つ女性が、それぞれの子宮で育った双子を無事に出産した。非常に稀なケースであることから話題になっているという内容を、『ABC』『NBC』がレポートした。
■希少な疾患
アメリカ・アラバマ州に住むケルシーさん(32)という女性が、双子を出産した。彼女は、0.3%の女性に発症するといわれる「子宮ジデルフィ」という疾患を持っている。
この疾患は子宮が二つあることから「二重子宮」とも呼ばれ、成長過程で痛みを伴ったり、生殖能力に影響を与えたりすることがあるという。
症状が全くでない女性も多く、ケルシーさんはこれまでに3人の子供を出産しているが、いずれも一つの子宮で育った胎児だった。ところが今回の出産は、二つの子宮それぞれで胎児が育ち、双子として誕生したのだった。
■2日間にわたった分娩
ケルシーさんが産気づいたのは、2023年12月19日。「陣痛は一貫しておらず、それぞれの子宮が伸縮しているのがわかりました。左から右に陣痛が移るのがモニターと一致していると感じていました」と振り返る。
双子の長女ロキシーちゃんは同日、午後7時45分に産声をあげた。この時、分娩室で対応していた医師や看護師らからは、異例の出産に歓声と拍手が起こったという。
しかし2人目のレベルちゃんの分娩はまだ始まっておらず、10時間後の12月20日午前6時10分に帝王切開で取り上げられた。双子の体重はともに3キロ以上あり、良好な健康状態だったそうだ。
双子が日をまたいで誕生したことに関してケルシーさんは、「双子は成長する過程ですでに別々の家(子宮)で育ったので、誕生日がそれぞれあってもいいと思います」と話している。
■「100万分の1」の確立
ケルシーさんの処置を担当した産婦人科のパテル医師によると、双子妊娠にはさまざまなケースがあるという。ケルシーさんの妊娠については、双方の子宮で排卵が起こり、卵子が一つずつ降りたことで同時に妊娠できたと推測している。
ケルシーさんは「双子の姉妹は、泣くタイミングが同じで、すでに絆で結ばれているんです」「二人の絆が成長過程でどう変化するのかが非常に楽しみ」と語る。
アラバマ大学バーミンガム女性・乳児センターの母子医学専門家リチャード・デイビス博士は、妊娠中の経過が順調で胎児が無事に育ったのは、「100万分の1に相当する非情に稀なケースだ」と説明している。
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(取材・文/Sirabee 編集部・本間才子)