18歳ハッカーが人気ゲーム映像をリーク 医療刑務所で無期限の懲役刑に…
「できるだけ早く犯罪に復帰したい」と再犯に強い意欲を示すハッカーが、「無期限の入院」を言い渡された。
人気ゲームシリーズの開発資料を、発売前にリークした罪で起訴されたイギリスの18歳の少年。裁判所によって「無期限の病院での懲役刑」を言い渡された。『GamesRader』『BBC』などの海外メディアが報じている。
■ゲーム会社のサーバに不正アクセス
報道によると、アリオン・クルタージ(18)はRockstar Gamesのサーバにハッキングし、『グランド・セフト・オートVI(以下:GTA6)』のトレーラーなど、少なくとも90本の映像を漏洩させたという。
Rockstar Gamesはハッキングにより「何千時間にも及ぶスタッフの労力」に加え、損害を補填するために500万ドル(約7億2,000万円)の費用がかかったと主張している。
■別の事件で保釈中だった
クルタージは2023年7月に別のサイバー犯罪で逮捕された際、「精神医学的に裁判に適さない状態」と判断され、保釈中の身だった。
それから1ヶ月も経たないうちに、ホテルの一室からAmazon Firestickを使ってRockstar Gamesのサーバーにハッキングを行い、同社のSlackを通じて脅迫行為などを行ったという。
■再犯に「強い意欲」示す
この若いハッカーの選択は、自分自身の人生の行方を大きく変えてしまった。自閉スペクトラム症とされるクルタージは、精神鑑定で「できるだけ早くサイバー犯罪に復帰する意向を表明し続けており、意欲は非常に高い」と指摘されている。
そのため、刑期を言い渡される代わりに「医師によって危険がないと判断されない限り、今後は安全な医療刑務所に生涯入院することになる」という。
■増加するリーク事件
近年、大作ゲームの発売前情報を狙ったハッキングやリーク事件は増加しており、中には「ユーザーの利益のため」を公言してはばからない者もいるようだ。
逮捕されたクルタージはハッキンググループ「Lapsus$」に所属しており、この事件では同グループに所属する17歳の少年も起訴されているという。
一時的な好奇心の代償に、彼らはこの先の一生を棒に振ることになるのかもしれない。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)