ジェルボール洗剤を誤食する高齢者続出で謝罪会見 選挙キャンペーンで無料配布
選挙に向けて候補者が支援を訴える際に、ジェルボール洗剤を配布した。しかし誤って食べる人が続出したため、謝罪に追い込まれることに…。
台湾で、無料配布されたジェルボール洗剤を誤って食べる人が続出し、大騒動に発展している。『Taipei Times』『ABC News』などが報じている。
■ジェルボール洗剤を無料配布
台湾総統選挙を目前に控え、中国国民党の候補者の一人が、選挙キャンペーン中に支援を呼び掛ける「グッズ」を無料配布した。
グッズは、青色と緑色のジェルボール洗剤が1つずつ入ったもので、パッケージの表には所属政党のスローガンが、裏には候補者の顔写真が印刷されている。
ちなみに、パッケージ表上には「1個につき8キロの洗濯可能」との注意書きがあるものだ。
■誤食ケース相次ぎ謝罪会見
ところが6日、候補者の担当者がこのグッズをめぐって謝罪会見を開くことに。もらった人が、中に入っているジェルボール洗剤を誤って食べてしまい、病院に搬送されるケースが続出したからだ。
記者会見で担当者は、「誤食により病院に搬送された人は、現時点で3人確認できています」と発表。3人とも命に別状はないそうで、そのうちの2人の男性（80）と女性（86）の身元が判明している。
■キャンディと間違え食べた高齢者
担当者の話では、2人ともジェルボール洗剤をキャンディと思い込んで食べてしまったという。すぐに病院へ搬送され、胃洗浄を受けたのち、2人とも順調に回復していると、現状を説明した。
続けて、「情報の開示を心がけています。グッズは46万個ほど用意され、無料配布されています。中身は洗剤で、食べられるものではありません。今後、各家庭を訪問する際に同グッズの配布はいたしません」「誤食された3人には、直接会いに行く予定です」などと語った。
■アメリカでは死者も
ジェルボール洗剤の誤食例は世界中で報告があり、アメリカでは死者も出ている。2018年の『CBS News』の取材によると、ジェルボール洗剤の誤食により当時死亡した人は、同国内で10人確認できているという。
そのうち2人が幼児で、残りの8人が高齢者だ。ジェルボール洗剤の成分に含まれる高濃度の過酸化水素水、エタノールなどは毒性が高く、死亡例はまれだが、処置が遅れると手遅れになるケースもあり、注意を呼び掛けている。
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（取材・文／Sirabee 編集部・宮 ちてら）
