偶然通りかかった「別人」を殺害した男が有罪 元彼女の新恋人を狙ったはずが…
「幸せを奪った」と元彼女の新恋人を一方的に恨み、殺意まで抱いた男。しかし、全くの別人を殺害してしまった。
アメリカで、偶然通りかかった男性を銃で撃ち殺害した男の裁判が開かれ、禁固刑27年の有罪判決が命じられた。『Fox 4 News』『Fort Worth Star-Telegram』などが報じている。
■元彼女の新恋人に逆恨み
2020年5月3日、テキサス州ヒューストン在住の男(26)は、400キロほど離れたアーリントンまで友人とともに車で向かった。
アーリントンには、男の元彼女と交際中の男性Aさんが住んでいる。男と元彼女がいつ別れたのかは不明だが、2人の間には子供がいるという。
そして男がアーリントンに向かった目的は、Aさんを殺害するためだった。当時、男は共通の友人から「元カノに新しい彼氏ができた」と聞いて激怒。「Aに幸せを奪われた」などと一方的に思い込み殺害を決意したと、のちの裁判で明かされている。
■駐車場で男性を銃撃
男はAさんの住むアパートに到着すると、駐車場で待ち伏せした。事件の少し前に、Aさんと電話口で激しい口論をしたとも伝えられている。
なお2人には面識がなく、男が聞いていたAさんの特徴は「ドレッドヘアの黒人男性」という情報のみだった。しばらくして、その特徴を持つ男性Bさん(24)が現れた。男は近づき持っていた銃でBさんを撃ち、そのまま車で逃走したという。
銃声が聞いた同アパートの住人が外に出たところ、駐車場付近にうつ伏せで倒れているBさんを発見。すぐに救急車が呼ばれるも、死亡が確認された。
■証拠映像によって逮捕
殺人事件として捜査を開始した警察は、駐車場の監視カメラを確認すると、男の姿のほか乗り付けた車も映っていた。さらに事件前日に近くの店で銃弾を購入する男の姿も確認でき、これらの証拠を踏まえて男を特定し、指名手配した。
事件発生から半日後、ヒューストン近郊の路上で男とその友人の乗る車が発見され、2人は逮捕された。その後に捜査が進展し、事件の当時者らの関係性が明らかになっていく。
■無関係の男性殺害容疑で有罪
殺害されたBさんは、Aさんと同じアパートに住む住人でありドレッドヘアでもあったが、全く無関係の人物であることが分かった。不運にもその場を通りかかっただけだったのだ。
その後、男は殺人容疑で起訴されたが、共犯の友人は不起訴処分になっている。裁判で証言することなどを条件に、司法取引に応じたとみられる。また男は、容疑を否認していると伝えられている。
複数回の審理を重ね、2023年12月20日に開かれた裁判では、殺人罪で禁固刑27年の有罪判決が命じられた。男が控訴するかは報じられていない。
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(取材・文/Sirabee 編集部・宮 ちてら)