母親の死亡記事で虐待被害を暴露した娘 悪口だらけの内容に波紋広がる

長年憎んできた母親の死を知った娘が、地元の新聞に死亡通知を出した。しかし、それは虐待被害を暴露するためだった。

親子・母親・娘

「母親とは、血はつながっていても関係は悪く、疎遠だ」と言う人がたまにいる。母親が生きているうちから散々悪口を言う人もいるが、時には亡くなってから、驚くようなつらい過去を打ち明ける人も…。

アメリカ・ミシガン州に暮らす女性のそんな話題を、地元紙の『Sturgis Journal』ほか、『NEW YORK POST』『Daily Caller』などが報じた。


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■地元メディアに母親の死亡記事を

話題になっているのは、ミシガン州のメディア『Wilcox Newspaper(ウィルコック新聞)』に12月15日付で掲載された、リンダ・ラーナル・ハーベイ・カラム・スミス・スタルさんに関する死亡通知だ。

掲載を依頼したのは、娘のゲイル・ハーベイ・ヘックマンさん。亡くなったばかりの実母について、「母は私をひどく虐待し、私の実の父親が誰なのか、ずっと嘘をついていました」と書き立てた。

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■読者から苦情が殺到

ゲイルさんはさらに、「母親による虐待は身体的、精神的、感情的な暴言、そして経済的にも行われました」と暴露。元夫がゲイルさんに性的な接触を図った際は、彼女のほうが叩かれたという。

これらを読んだ州民は驚き、不快感を覚え、『ウィルコック新聞』には苦情が殺到。オンライン版だけ、その記事を削除した。

そんななか、地元紙の『スタージス・ジャーナル』はゲイルさんに電話インタビューを試み、なぜそのような死亡通知を出したのかを尋ねている。

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■「反論する機会が欲しかった」

そこで「私にとって母はモンスターのような存在でした」と語ったゲイルさん。自分たち母娘がなぜ疎遠なのか、母親は自分を正当化する作り話をしていたといい、名誉にかけ反論する機会が欲しかったそうだ。

ゲイルさんは「母親の死を知り、快感さえ覚えました」と言うものの、母親が天に召されたことを機に彼女を許すことができたという。記事の最後には「これでやっと世界が平和に。ほかの家族とは穏やかな関係でいたい」と綴っている。

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■虐待とそのトラウマが娘の人間性を

ゲイルさんは、クレームにより記事が削除になったことにも不満を感じている。感情を抑え安らかな眠りを祈ることができればよかったが、長年の怒りが心に鬱積しているゲイルさんは、新聞の読者の気持ちに配慮するほど余裕はなかった。

親からの虐待とそれに由来するトラウマが、子供の人間形成上にさまざまな問題をもたらすことはよく知られている。死ぬまで言葉にできなかった怒りと苦悩。それが娘の人間性に大きく影響したようだ。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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