「史上最悪のクラブ」を名将が救済 シーズン全敗に失点200点も選手のやる気認める
シーズン22戦0勝の史上最悪のクラブ。その再建にプレミアリーグで指揮をとった大物監督が手を挙げた。
イギリスのサッカー・プレミアリーグを長年率いていた名将が監督業引退を発表し、イギリスで最も弱いクラブの再建に手を差し伸べた。『Sky News』や『Oxford Mail』が報じている。
■名門を率いた名将
イングランド・プレミアリーグの名門クラブ・トッテナム・ホットスパーなどを率いてきたハリー・レドナップさん(76)が監督業の引退を表明し、イギリスで「最も成績の悪いサッカークラブ」に手を貸すことになった。
レドナップさんの新たな挑戦は、ウェールズ南部の都市であるスウォンジーの弱小クラブ「クム・アルビオン」の立て直しだ。
過去にウェストハム、サウサンプトン、クイーンズ・パーク・レンジャーズ、ポーツマスなど名だたるクラブの監督をしてきたレドナップさんだが、トップリーグの監督を退任してから7年が経過し、「弱小チームの再建」という新たな目標を見つけた。
■シーズン全敗のクラブ
クム・アルビオンは100年以上前に結成された歴史あるクラブで、現在はウェールズのアマチュア・リーグ5部にあたるスウォンジー・シニアリーグに所属している。
このクラブは現在不振にあえいでおり、昨シーズンは22戦全敗を記録。200失点(得失点差は191点)と悲惨な状況で、サッカーファンの投票で不名誉な「イギリス史上最悪のクラブ」に選ばれた。
レドナップさんは「さすがに失点数を目にして驚いたけど、選手たちに会ってみて彼らのやる気に疑う余地がなかった」と、クラブ再建への気持ちが揺るがないことを明かした。
■新シーズンで2戦目で勝利
レドナップさんは、対面式のトレーニングを実施するなど、シーズンを通してクム・アルビオンを「適切なトレーニングと指導で」サポートすることを約束している。
ただし名将がクラブに加わったとしても、再建はそう簡単でない。クラブの選手には、50年以上にわたり在籍しているジョン・リース(73)や、10年間一度も0点で試合を終えていない脆弱なキーパーのジェイミー・マクドナルドなどがおり、戦力は頼りないままだ。
選手時代からの叩き上げでクラブを率いるダン・ギル監督は、レドナップさんの加入を「私が16歳の時に入団して以来、クラブにとって最大の出来事」と興奮気味に語る。
レドナップさんは「彼らは本当に仲の良い集団であり、その努力はすでに報われ始めている」とあくまでポジティブに語る。その効果もあり11月25日のリーグ第2節では、ポート・テナント・コルツFC相手に4-3で見事勝利を収め、長い連敗を脱出した。
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(文/Sirabee 編集部・ジェス タッド)