クリスマスに出現した「入店拒否」看板、店の条件に目を疑うも… ネット民からは称賛の声
名古屋市のバーが、12月24・25日限定で店頭に「カップル入店拒否」の看板を設置。ネット上では「素晴らしい」と称賛の声が相次いでいる。
■「男性の下心」に思わずドン引き
さすがに笑ったわ
カップルに親でも殺されたんか pic.twitter.com/DFcsDwsN2G— みょーい (@Dr_Reiton) December 24, 2023
今回の取材を実施したのは、25日の昼ごろ。バーからすればクリスマス当日という繁忙期の真っ只中にあるはずだが、同店オーナーは笑顔で取材を快諾してくれた。
Oathは2020年11月19日よりオープンした店舗で、話題の「カップル入店拒否!」看板は、21年よりクリスマスシーズンになると店頭に設置されるものと判明したのだ。
同看板を設置した背景について、オーナーは「3つの理由」が存在すると話す。
まず1つ目は「常連が足を運びづらくなる」という点。こちらの補足として、オーナーは「クリスマスの時期、カップルを歓迎するバーはたくさんありますので、当店では『カップルは他店に任せる』というスタンスをとっています」「『クリスマス料理』と聞くと、1人で食事をしている様子を思い浮かべる人は少ないと思いますが、当店では単身のお客様にクリスマスメニューやオリジナルカクテルを提供し、『1人でクリスマス料理を食べても良いんだ』という気分を楽しんで頂いています」とのコメントを寄せてくれた。
2つ目の理由には、バーという空間を「悪用される」ことへの疑問と不満を挙げる。
オーナーは「男女カップルでいらしたお客様の中には、女性のお客様がお手洗いに立たれた際、こっそり度数の高いお酒を注文される方もいらっしゃいます」「どうにか女性を酔わせたい…という下心がバーの従業員から見ても感じられ、そうしたお酒の飲み方(飲ませ方)の舞台として、バーが使われることには嫌悪感を抱いております」と、説明していた。
そして3つ目の理由は「長く居座るカップルが多い」という点。
こちらは2つ目の理由と似通う部分があり、オーナーは「普段バーなどでお酒を飲む機会の少ない女性の中には、度数の低いカクテル類を愛飲されるお客様も多くいらっしゃいます」「すると、女性を煽ってどうにか多くのお酒を飲ませようとする男性も見られるのです」と説明していた。
「クリスマス」という時期も相まって、浮かれた気持ちで無茶な飲み方・飲ませ方をする男性も少なくないのだろう。しかしこうした振る舞いは(店のカラーにもよるが)、静かに飲みたい他の客や、純粋にバーの空気を楽しみにきた女性に対するマナー違反である。
■このオーナー、完全にノリノリである
だが、中には看板に気づかず(気づいた上で強行突破気味に)入ってきたカップル客もいるのでは。また、カップルでなく「単なる友達」の男女の場合、セーフ判定を受けるのだろうか…?
これらの疑問をぶつけたところ、オーナーからは「ドアの真横に看板を置いていますので、皆さま看板の内容を確認のうえ、入店頂いております」との回答が。また、2人組が入店した際は軽いトーンで「カップルではないですか?」と確認しており、「単なる友達」や「職場の知り合い」といったケースは問題なく入店できるとのこと。
且つ仕事柄、多くの人々を目にしているため、オーナーには2人の仕草や会話のトーンなどを見て「カップルか否か」がジャッジが可能なレーダー的能力が備わっている模様。
そんなOathは、老若男女に愛される店舗で「バー入門編」として、いわゆる「バー初心者」からも愛好されている。こうした評判は口コミで広がったもので、同店では「あなたを幸せにする1杯のために」という粋なメッセージを掲げているのだ。
また、今回の「カップル入店拒否!」看板が大きなバズりを見せたことを大変喜んでいるようで、オーナーからは「ご投稿者さまには話題にして頂き、感謝申し上げます」という御礼のコメントが。
看板に注目した多数のXユーザーに対しては「あなたにも居場所がありますよ」と、これまた粋なコメントを寄せてくれたのだ。「1人で過ごすのが寂しい」と感じた夜は、ぜひOathに足を運んでみてほしい。
【店舗詳細】
「Bar Oath」
愛知県名古屋市中区千代田2丁目18-7
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)