知らない間にかけている“迷惑電話” 東京消防庁が「無言」の119番通報に注意喚起
119番への無言電話、自分には無関係だと思っていたら…。ある状況で起こる“誤操作”、経験がある人は少なくないのでは。
積雪や路面凍結による転倒や餅をのどに詰まらせたことによる窒息事故など、救急要請が増加するという冬場。1分1秒を争う要請への対応が遅れる、“無言電話”の架電について東京消防庁が注意を呼びかけている。
■ポケットのなかで誤操作
早い人ではすでに年末年始の休暇に入っているこの時期、休診となる医療機関も多いなか怪我や病気で焦ってしまい“救急車”の文字が頭に浮かぶという人もいるのではないだろうか。
同庁はX(旧・ツイッター)にて「119番通報が非常に多くなっています!」と投稿。
「携帯電話からの『無言』の119番通報が入電しています。ポケットの中で誤って119番通報が発信されているものがあります」とのことで、「不要不急の通報の1件となってしまいます。皆さんのご協力が必要です。携帯電話の操作は十分注意しましょう」と呼びかけている。
■すぐには切れない事情が
不要不急の電話については最後まで話を聞かずに切断する場合があり、「無言」の救急通報が入った際もすぐに切ればいいのでは…と思いがちだが、意識が遠のくなか必死で携帯電話のボタンを押して通報しているという可能性もあるため、先入観で判断できないという実情が…。
そんな場合オペレーター(通信指令員)は周囲の物音を頼りに要請者の居場所を探ったり、脳の疾患などで声が出ないと思われる場合には携帯電話をノックして返答するように呼びかけたりすることもあるという。
スマートフォンの画面をロックしている場合でも“緊急通報”というボタンを押せば発信できてしまうため、バッグやポケットに入れていても誤発信の可能性が。コメント欄には「確かに、なんかの弾みでSOSモードなってるときがあるもんな…」との声も寄せられている。
■迷ったときは「#7119」へ
また、誤発信ではないものの、痛みやつらさのあまり実際には救急ではないのに救急要請をしてしまうケースも。
お笑いコンビ・ぺこぱの松陰寺太勇は以前“歯が痛くて”救急要請をしたことがあると告白しており、「そのときは本当に痛くて…もう痛みで死んじゃうんじゃないかと…」と思ったという。
不要不急の線引きは人によって、またはそのときの心理的状況によっても違うといえるが、迷ったときは「#7119(救急電話相談窓口)」というものがあるので覚えておくとよいだろう。