出会い系詐欺でコメディアンの男性が殺害 外国人観光客ねらう殺人が増加
活動家としても有名なコメディアンが、コロンビアで殺害された。出会い系アプリで知り合った女性の背後にいる、組織的な犯行とみられている。
コメディアンで活動家でも男性が、コロンビアで殺害された。SNSで知り合った女性に会うため、同地を訪れていたとみられている。『The Sun』『NewYorkPost』が伝えている。
■コメディアンが誘拐され殺害
アメリカ・ミネソタ州で活躍していたコメディアンのトゥ・ゲル・シオンさん(50)が、コロンビアで殺害された。地元新聞によるとシオンさんは、11月29日にコロンビアへ渡航しており、SNSで知り合った女性と会って休暇を過ごすはずだったという。
シオンさんは12月3日、コロンビアの人気歌手であるカロルGさんのコンサートに訪れ、自撮りの動画を撮影していた。そして12月10日に女性とデートの約束があったようだが、顔を合わてすぐに犯行グループに誘拐されたとみられている。
犯行グループは、シオンさんの家族に身代金2,000ドル(約28万円)を要求した。家族はすぐに警察に連絡をとっていたが、取引が成立する前にシオンさんは殺害されたようだ。
渓谷で発見されたシオンさんの遺体には複数の刺し傷があり、鈍器で殴られたような跡も確認された。
■観光客が犠牲になるケース多発
コロンビアでは最近、出会い系アプリを使った殺人が多発しているという。特にナイトクラブやバーに訪れる外国人観光客がターゲットになっていると、アメリカ大使館は言及している。
犯行の手口として、スコポラミンという名称の鎮痛剤を投与されることが多く、無味無臭なためドリンクなどに入れられていても気が付かないのだそうだ。服用するとトランス状態になるため、最大で24時間は気を失う可能性があるといわれている。
昨年、アメリカ人男性(当時27)がコロンビアにコンサートに訪れ、出会い系アプリのTinderでマッチした女性と会ったらしき後に遺体で発見される事件があり、体内からはやはり鎮痛剤が検出されていた。
このように殺害され渓谷で見つかった外国人観光客は、シオンさんで27人目だという。
■モン族擁護に貢献
シオンさんは、東南アジアの先住民であるモン族の擁護にも貢献した人物として知られていた。モン族の音楽や文化のパフォーマンスなどをミネソタ州のフェアで披露し、「モン族ミネソタの日」の創設にも尽力した。
遺族は現在、シオンさんの名前で財団を創設するための寄付を集めているそうだ。
元ミネソタ州上院議員のミー・ムーア氏は声明を発表し、シオンさんを「比類のない現代の英雄」と偲び追悼。「心をずたずたに引き裂かれました。友人、弟、そして子供たちの面白いおじさんだったトゥ・ガ・シオンへの悲しみに打ちひしがれています」とも記している。
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(取材・文/Sirabee 編集部・本間才子)