孤独死の報道に恐怖し団地内をうろつく60代女性 「死んでも誰にも気づかれない…」
時には外で眠ることもあるという女性。ホームレス説も浮上したが本人はそれを否定し、「孤独死が嫌なんです」などと説明している。
団地内をうろついている女性について知ったメディアが接触し話を聞いたところ、女性が意外な事実を明かした。『AsiaOne』など海外メディアが伝えている。
■女性を心配する声が噴出
シンガポールで暮らす高齢の女性が、1年ほど前からある団地の1階にある壁がないオープンスペースに行っては、長い時間を過ごすようになった。時にはそこのベンチに横たわり、そのまま朝まで寝て過ごすこともある。
その様子を見て心配した人たちからは、「ひょっとしてホームレスなのではないか」「困っているのではないか」といった声が上がり始めた。
■同居人とアパート暮らし
この女性に関する情報を得た一部メディアが、12月2日に会いに行って話を聞いたところ、女性は「チェンと申します」「私はホームレスではありません」と話し始めた。
チェンさんは、現在60代。友人数名とアパートを借りて暮らしているというが、友人らは滅多にアパートに戻ってこない。
チェンさんも以前は会社のカフェテリアで働いていたが、1年以上前に転倒して怪我をした。そのため辞めざるを得なくなったものの、復帰を目標にして回復に努めているのだという。
■「孤独死が怖い」と告白
アパートにいてもひとりぼっちというチェンさんは、最近増えている孤独死のニュースを知り、心底怖くなった。「私が死んでも誰にも気づいてもらえないかもしれない」と考え、部屋を出て外をうろつくようになったというのだ。
チェンさんは「日中は外を歩きまわって、夜はアパートで寝るようにしているんです。歩くと元気になれるし、怪我の回復にも役立ちますから」とも話す。きょうだいもいるが、全員結婚していることから迷惑はかけたくないと思っている。
そんなチェンさんを心配した当局からは、サポートの申し出もあったというが、ホームレスではないことを説明し理解してもらったそうだ。
■孤独死しないために
配偶者との死別や離婚、また核家族化の進行もあって、たったひとりで老後を過ごす人は日本でも増えている。
孤独死を警戒している人は、見守りカメラや訪問サービスの利用、高齢者のグループ活動への参加、高齢者住宅への入居などを検討する手もある。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)