復活を期する山﨑康晃、10年目の覚悟 「チームを引っ張っていく存在にならないといけない」【DeNA】
契約更改交渉に臨んだ横浜DeNAベイスターズの山﨑康晃。「しっかりとチームを引っ張っていく選手になりたい」「全選手と成長していきたい」との意気込みを明かした。
2023年シーズン、投手キャプテンとして影に日向に奔走した横浜DeNAベイスターズの山﨑康晃は、来シーズンはその重責から外されることになった。
しかし「肩書きは外れてもピッチャーやブルペンを引っ張っていくことはかわりはないので。役職は外れてもしっかりとチームを引っ張っていく選手になりたいなと思います」とキッパリ言い切った。
■リーダーとしての矜持
227セーブをマークしている実績十分の右腕は、もちろん戦力として貴重な存在。しかし田中健二朗と平田真吾がチームを去った今、生え抜き投手陣で三嶋一輝に次ぐ2番目の年長者となった点に「長年やっていると年齢も上がってきて、下からの突き上げも感じます」と素直な心境を吐露。
クローザーの座を狙うと宣言した伊勢大夢を筆頭に、復活を期する入江大生、今年頭角を現した石川達也と宮城滝太など、一気の新陳代謝の進んだブルペン陣との戦いが待つが「チーム内での競争はもちろんなんですけれども、仲良しクラブにならないように、僕も競争をこのキャンプから自分自身にも促していきたいと思います」と宣言。
ソフトバンクから加入する森唯斗にも「投げやすい環境を作ることは僕は得意なので、コミュニケーションを計ってみんなで力を合わせて頑張っていきたいなと思います」と侍ジャパンやオールスターでもお馴染みの、類まれなるコミュニケーション能力を活かし、切磋琢磨していきたいとした。
■岡田阪神に感化され…
そこには「チームが成長することを本当に今年の日本シリーズを見て非常に感じるものがあったんですね。阪神タイガースのようなライバル球団のように1試合1試合成長するような姿を見て思うようなところがあったので」とシーズン中盤から勢いを増し、最終的には日本一を掴んだ岡田阪神の戦いに感化されたと告白。
「そこで全選手と成長していきたいなと思っています。ブルペンでもそういう姿を見せ、僕も引っ張っていきたいなと思いますし、これだけ言葉に表したので、そこを表現していきたいなと思います」と口にしたことで、より責任感も背負う覚悟を強めていた。
■“小さな大魔神”
今シーズンは開幕からクローザーの座を任されたが、シーズン途中で中継ぎに配置転換。終盤にはファーム落ちも経験し、トータル49試合登板で3勝7敗20セーブ、防御率4.37と周囲の期待には応えられないシーズンとなってしまったが、現在は来季に向けて例年より1ヶ月ほど早くトレーニングを開始。
9回のマウンドに並々ならぬ意欲をみせる右腕は「ヤスアキが出てくるか。試合終わっちゃうな。と思われるような雰囲気を出していきたいなと思います」と決意した。
投手陣をまとめることはもちろん、“小さな大魔神”の代名詞をより際立たせるための戦いも、もう始まっている。
■執筆者プロフィール
萩原孝弘:1971年生まれ。生まれも育ちも横浜の生粋のハマっ子で、大洋が横浜に移転して以来、一貫してホエールズ〜ベイスターズファン。
23年のオフィシャルイヤーブックもライターとして参加した。あくまでもファン目線で、独自のインタビューコラムや記事を各媒体で執筆中。
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(写真・取材・文/Sirabee 編集部・萩原孝弘)