「かゆみ」の原因物質をアメリカの研究者が発見 かゆみ止めクリームの開発に光

皮膚細菌が、かゆみの原因であることが研究で判明。基礎疾患がない人でも、かゆくなる酵素物質を特定した。

かゆい・かゆみ・痒み・湿疹

長年不明だった人間の「かゆみ」の原因が、最新研究で明らかになった。『Sky News』や『NPR』が伝えている。


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■皮膚細菌が作用

アメリカのハーバード・メディカル・スクールの研究者たちは、科学者の間で原因不明とされていた「人はなぜかゆくなるのか?」という疑問を解明した。

研究者が突き止めた「かゆみ」のメカニズムは、皮膚細菌が神経細胞に直接作用するというもの。マウスを使った研究により、「皮膚を黄色ブドウ球菌にさらすと、数日間にわたってかゆみが強まること」を突き止めた。

また直接的に細菌がかゆみを誘発するだけでなく、通常であればかゆみを引き起こさない軽い接触でも、過敏に反応することも明らかになった。

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■原因の酵素を特定

かゆみの反応は湿疹の症状を持つ患者によく見られるが、基礎疾患のない人にも起こり得るという。研究では原因となる単一の細菌酵素を特定するために、複数の改良型黄色ブドウ球菌が作成された。

「V8」と名付けられた酵素は、「PAR1」と呼ばれるタンパク質を活性化することにより、かゆみを引き起こす。「PAR1」は皮膚の神経細胞に存在し、痛み、熱、かゆみなどさまざまな不快感のシグナルを脳に伝える。

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■かゆみ止め開発に着手

「PAR1」がかゆみの主な原因であることが判明したため、研究者たちは早くもブロックする方法に着手している。

「PAR1」が血液凝固に関与するタンパク質と共通していることから、承認済みの抗凝固薬をかゆみのあるマウスに投与したところ、かゆみも皮膚の損傷も改善したという。

研究者たちは、この物質が人間用のかゆみ止めクリームの基礎開発に役立つと考えており、皮膚疾患に苦しむ患者を救う手がかりになりそうだ。

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(文/Sirabee 編集部・ジェス タッド

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