クリスティアーノ・ロナウド、1470億円超の訴訟に直面 仮想通貨取引所の宣伝に関与
ポルトガル代表のサッカー選手であるクリスティアーノ・ロナウドが、仮想通貨取引所バイナンスの広告塔になったとして、約1,470億円超の賠償金をめぐり集団訴訟を起こされている。
サッカーのポルトガル代表選手であるクリスティアーノ・ロナウドが、仮想通貨取引所バイナンスとの契約で広告活動に加担し、投資家らの資産を損失に導いたとして、集団訴訟を起こされている。『Mirror』『BBC』が報道した。
■仮想通貨取引所と提携
2022年11月、クリスティアーノ・ロナウドは大手仮想通貨取引所のバイナンスと提携し、非代替性トークン(Non-fungible token:以下NFT)コレクション『CR7』を発表した。NFTとは、アート型のデジタルデータに紐づけされたデジタル資産のことだ。
『CR7』はロナウドのイニシャルと背番号を組み合わせたシグニチャーで、シューズから香水まで販売するオリジナルブランドとして認知されている。
同NFTコレクションは、希少価値別にレア (R)、スーパー レア (SR)、ノーマル (N)、スーパー スーパー レア (SSR) のレベルがあり、ロナウドの活躍シーンをモチーフにしたデジタルアートになっている。
ロナウドとバイナンスはNFTのリリース契約を結んでおり、ファン向けに5万個のミステリーボックスを備えた第3弾のNFTコレクションを、今年10月に発表したところだった。
■未登録有価証券の支援に加担
集団訴訟を起こした原告らは、バイナンスが扱う未登録有価証券の広告活動に加担したとして、ロナウドを相手取り10億ドル(約1,470億円)の損害賠償を求めている。
本来、有価証券に属する株や小切手、手形、債権などの実態のある財産価値は合法だが、仮想通貨に関して米国証券取引委員会(SEC)は、有価証券としては認めていない。
そのため仮想通貨やNFTなどのデジタル資産については、近年に合法か否かを争う議論が繰り広げられており、今年5月にバイナンスは未登録有価証券の提供などで提訴されていた。
11月に入り、同社はアメリカの法律を遵守せずに、アメリカ国内の投資家らにサービスを提供していたマネーロンダリングの罪を認め、CEOであるチャンポン・ジャオ(CZ)が退任に追いやられた。
■「準備をしている」とコメント
このような背景を受け、2022年に公開されたロナウドのNFT『CR7』は、当初の最低金額77ドル(約1万1,000円)の価値から1ドル(約150円)にまで暴落した。
ロナウドは自身のX(旧・ツイッター)に「準備をしている」と投稿し、対策を講じるという意図を示している。昨年には「NFTゲームを変え、サッカーを次のレベルに引き上げたい」と話していた。
コンサルティング企業デヴィアのナイジェル・グリーン代表は、「デジタル資産関連のマーケティングに関与している著名人はたくさんいる。ロナウドだけを責めるのは問題を単純化しすぎている」「明確なガイドラインを確率し、世界の規制当局にも目を向けるべきだ」と言及している。
・合わせて読みたい→いま流行りの「暗号資産」や「情報商材」 儲け話を真に受けると大変なことに?
(取材・文/Sirabee 編集部・本間才子)