トコジラミ対策、絶対やってはいけない「誤った方法」が物議… 8年前の情報にも最注目
「部屋中に防虫剤を置くとトコジラミ対策になる」。ネット上でこんな情報が拡散されているが、絶対にしてはいけない誤った対策法だった。
世界中でトコジラミが猛威を振るっている。ネット上では、トコジラミの対策法が多数アップされているが、その中には「部屋中に防虫剤を置くと予防できる」という疑わしい情報が。
この対策法は危険が潜んでいて…。
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■刺されると激しい痒みが…
トコジラミはシラミではなく、カメムシの仲間で暗くて狭い場所を好んで潜伏する。特に寝室を好み、夜寝ている人の血を吸う。
刺されると赤い発疹ができ、激しい痒みに襲われる。韓国やフランスを中心に世界各国で増加傾向にあり、日本でも社会問題となりつつある。この先、適切な対策が必須だ。
■ネット上で物議を醸した情報
そんな中、トコジラミ対策に関するある情報がX(旧ツイッター)で拡散されている。内容としては、旅先での対策として、ホテル等で衣類用防虫剤を部屋中にたくさん置くとトコジラミを予防できるというもの。
通常、防虫剤はクローゼットの中など狭い場所で使うものだが…。この方法はネット上で物議を醸している。
「クローゼット用を自室内のむき出しのパイプハンガーに使ったら、頭痛や悪心の症状に悩まされた」「防虫剤はガチに危ないっぽいので、オススメできない」「虫が死ぬんだから人にも影響あると思う」「防虫剤は使い方間違えると危ないからやめたほうがいい」など、その効果を疑う声が多数あがっている。
■8年前の情報が再注目
先述した内容に疑問を抱いた人の間で、8年前のある情報が注目を集めている。2015年の独立行政法人国民生活センター公式サイトに記載された「衣類の防虫剤を使用したら体調が悪くなった」というもの。実際の消費者から寄せられた疑問を解説する内容となっている。
同サイトを見ると、部屋で使用する防虫剤の化学成分「パラジクロロベンゼン」が原因で頭痛、だるさ、無気力感などに悩まされるようになったという。
国民生活センターは、「室内の防虫剤の濃度が高くなると、眼、鼻、のどなどの粘膜を刺激することがあります。高濃度の場合だけでなく、低濃度でも長期間吸い続けると健康に影響を及ぼすことがありますので、防虫剤を使用するときは、製品パッケージ等に記載されている『使用上の注意』をよく確認して、正しく使いましょう」と、大量に防虫剤を使用しないよう注意喚起しているのだ。
■国民生活センター
こちらの内容に関して、改めて国民生活センターに問い合わせたところ、国民生活センターの担当者は「最新の情報ではありませんが、間違っておりません」と回答。
部屋に大量の防虫剤を置くことに関して、担当者は、「事業者やメーカーも注意喚起や案内をしているので、防虫剤の取り扱いには十分注意してください」と話す。クローゼット内で適切な量の防虫剤を使用するのは問題ないが、大量に置くと身体に悪影響を与えるので絶対にやってはならない。
トコジラミの対策法を巡って、ネット上では様々な情報が溢れているが、中には真偽不明なものも少なくない。誤った情報を鵜呑みにしないよう、十分注意してほしい
■執筆者プロフィール
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
今期の推しは、『コタツがない家』(日本テレビ系)、『いちばんすきな花』(フジテレビ系)、『ゼイチョー~「払えない」にはワケがある~』(日本テレビ系)。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)