「かっこいい物拾った！」とノリノリな小学生 手にした物体が危険すぎると話題に…
小学生男子が「かっこいいもの拾った！」と大喜び。手にした物体の「思わぬ正体」に、反響が相次いでいたのだ。
■「土地調査のプロ」に話を聞くと…
コレは、朝のせんちゃん散歩の時にすれ違う小学生の男児が拙に「かっこいいやつひろった！！！！」と手渡してきたモノ
拙「ｱｱｧｧｧｱｱ⤴（お客様それはｧｧｧｧ…⤵）」 pic.twitter.com/M8HM5GmBuh
— 洗手院（千手院） (@senjuin1010) November 14, 2023
まずは国土交通省に話を聞いたところ、こうした境界標は同省でなく、市区町村などの管理下にあることが判明。続いて、件の境界標の「その後」と併せて関市に取材を打診したのだが、一切のコメントは得られなかった。
そこで今回は、不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家集団「土地家屋調査士法人えん」の代表を務める川本光範氏に、話を聞いてみることに。
川本氏はまず、境界標の役割について「お隣さんとの財産の境（さかい）であるポイントを、目で見て分かるようにした目印です。土地家屋調査士などがお隣さんとの確認をした後に設置したものであり、このポイントまでを自分の土地として自由に使用できるようになります」「この境界標がなければ、どこまでを自分で自由に使って良いのかが分かりません。塀がない場所などは特に、まず境界を確認して境界標を設置してからブロック塀などを作ったほうが良いでしょう」と説明する。
その特性上、ブロック塀の下や、道路沿いなど「隣人の土地との境目」付近で見られる物で、敷地の角や、ブロック塀の上に張り付けるケースもあるそうだ。
ではこちらの境界標を、故意に破壊したり、取り外して持ち帰ると、どうなってしまうのだろうか…。
■絶対持ち帰らないように…
前出の質問に対し、川本氏からは「境界損壊罪に抵触する可能性があります」「境界標を損壊し、移動、若しくは除去し、またはその他の方法により土地の境界を認識できないようにすると犯罪になります」との回答が。
境界損壊罪は刑法262条の2に規定されており、5年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられる。
一方、今回のポストのような不慮の事態で紛失するケースも少なくないようで、川本氏は「土地の売買をしたとき、建物を建てるとき、相続で土地を引き継いだときなどのタイミングで境界標が無いことに気付き、設置するケースが多いです」とも説明していたのだった。
また、境界標には複数の種類が存在する。タイプを大別すると「民間」と「官公署」の管理に分けられ、後者は主に道路境界に設置されるそうだ。
川本氏は「これらの素材としては金属のプレート状になっている物や、鉄の鋲（釘のような形で、道路などに打ち込む）、コンクリートでできた杭、プラスチックの杭、御影石などがあります」と、説明している。
道端でクールなデザインの境界標を発見しても、決してとり外して持ち帰らないように。また、川本氏の運営する「えん」公式ブログでは、今回のケースのような土地に関する様々な情報を発信しているので、ぜひチェックしてみてはいかがだろう。
■執筆者プロフィール
秋山はじめ：1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X（旧・ツイッター）を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉（浦和）や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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（取材・文／Sirabee 編集部・秋山 はじめ）
