【秋葉原】落合陽一氏監修のイルミ企画に賛否 「マヨネーズ」「アニサキス」と揶揄される一方で意外な声も
毎年恒例だった秋葉原駅前のイルミネーションに賛否の声が飛んでいる。地元民たちはどう感じているか。
クリスマスが近づき今年も各地でイルミネーションが幻想的にきらめいている。そんな中、東京・秋葉原で11月末から開始したイルミ企画がいまちょっとした物議を醸している。
【合わせて読みたい】秋葉原駅前に突如現れた約1000人の大行列…その目的は?
画像をもっと見る
■メディアアーティスト・落合陽一氏が監修
電子パーツ、ゲーム、アニメ、そしてメイド文化と様々な個性を放つ“趣都”秋葉原。その駅前にある商業ビル・秋葉原UDXで11月15日から開始されたのがオブジェ&イルミからなる「winter illumination 2023」だ。
今年はメディアアーティストの落合陽一氏が監修を担当。19本の街路樹にはLEDテープライトを使った未来的な装飾がなされており、誘われるようその間を通っていくと「秋葉原の未来への可能性」をテーマに制作された箱型オブジェが設置されている。オブジェの中を覗くと、無限に鏡が続くような神秘的な世界が広がっていた。
■「マヨネーズ」「アニサキス」と辛辣な声
しかしこのイルミ企画、公開されると秋葉原のファンたちからは意外な声が多くあがった。
「秋葉原愛を感じた」「落合さんらしい」「これはこれで秋葉原っぽくていい」「見に行きたい!」と称賛する声がある一方、「何があったんだ今年は…」「マヨネーズ」「雑イルミ」「アニサキス風」と、電飾について辛口コメントで評する声が相次いだのだ。
例年、同地ではクリスマスをイメージしたシンボルツリーの設置や、ブルーやシャンパンゴールドに輝く絢爛豪華なLEDが樹木に施されていたこともあり、その差を指摘する声も散見されている。
■素材や配置に注目するアキバ通たち
よく見かける粒々の電飾ではなく紐状の物を使用したのは、「イルミの点々、粒々はあまり好きじゃない。秋葉原らしいパーツで作りたかった」と考えた落合氏のこだわりだ。
秋葉原に長年住み続けて来た「地元の人」は今回の流れをどう感じたのか。毎年イルミを見て来た40代自営業の男性Aさんは、「秋葉原の材料で仕上げたのかもしれないけど、LEDのチューブが流行ったのちょっと前で、アキバのトレンドとしてはちょっとズレている。落合さんはセンスがある方ですが、ちょっと惜しいと感じたのがリアルなところです」と吐露。
同じく40代の男性Bさんは「イルミとしては斬新で新奇。電飾の白い紐はオシロスコープに表示される波形っぽく見え、箱型オブジェはサイケデリックでおもしろい」と評価しつつも、「個人的には好きではない」と感想を述べる。
「白い紐のツリーと箱型オブジェとの間で、数本飾り付けが無い木があり、途切れている点が気になる。意図的なのかどうかはわからないが、傍目から見ると連続性が無く、予算不足で木を飾り付け出来なかったのでは?…とも見えてしまいます」(Bさん)。
■「リア充乙」
いずれも歴代イルミを見てきたからこその本音。一方で、秋葉原在住を明かしている落合氏の「地元愛」「マニアックさ」に期待を寄せていたことも言葉の端々から感じられた。
最後に話を聞いた40代男性のCさんは「毎年、リア充乙(=恋人がいる人への皮肉を込めたスラング)って感じでアキバのイルミを見ていた。今年のは色々言われていますが、カップルが集まるようなスポットにならず、『電飾に何の素材使っているんだ』と、気になったアキバファンが集う空間になっているのがこの街らしくて面白いじゃないですか。今年もクリぼっち(=クリスマス一人ぼっち)確定なので、25日も僕は見に行きます」と胸中を明かした。
賛否はあるが、例年以上に高い注目を集める秋葉原UDXのイルミ企画。それこそ、新たな見せ方に挑んだ落合氏の狙いなのかもしれない(点灯は今月25日まで。毎日17時~23時)。
・合わせて読みたい→秋葉原の“名門メイド喫茶”が突然の「無期限営業休止」 ショックの声広がる
(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤)