秋季トレーニングで「コーチが教えるのは3時まで」 個のレベルアップで目指すチーム力の底上げ【DeNA】
横浜DeNAベイスターズの秋季トレーニングが18日に終了。三浦大輔監督が掲げていた2つの目標は…。
2020年は奄美大島で野手陣が、横須賀の球団施設「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」では投手陣が分かれて行われていた秋季キャンプ。翌年からは合宿制を取りやめ、名称も秋季トレーニングへとチェンジして行われた3年目の今年も、18日にすべてのスケジュールを終了した。
■充実のトレーニング打ち上げ
三浦大輔監督は昨年、主に2つの目標を掲げていた。
1つ目は「とにかく個人、自分のことだけ考えて。それが結果チームのためになりますし。この期間は周りがどうこうではなくて、自分が来年一軍で活躍することだけに取り組んで」と個人のレベルアップにクローズアップ。
もう1つは「コーチに教えてもらうのも4時までにして、その後はどう考えて過ごすか。選手に考える時間を与えないとというところでね。秋季トレーニング徹底的にやってきました。4時以降の取り組みが来季以降かなり大きな差となって表れてくると思います」と“やらされる練習”から“やる練習”へのシフトチェンジも強調していた。
今年はさらに「コーチが教えるのは3時までですね」と1時間繰り上げ、「このオフのために、コーチがいなくても課題をしっかり持ってやるためには、指導時間を決ないと」とより個人に委ねる方針を進めさせた。
それでも限られた時間でのトレーニングに「一人一人の密度は上がっています」と力説。確かな手応えを感じているようだ。
■コーチ陣の成功体験も糧に
1998年には権藤博監督のもと、“ミーティングなし”の一風変わった戦略で日本一。現在の監督をはじめ、石井琢朗、鈴木尚典両コーチはその際の主力で、作戦も多くは選手たちが動き、実践し、結果として昇華させた成功体験がある。
野球はチームプレーだが、野球選手は個人事業主。「この時期は自分のことだけ考えてレベルアップする。それが結果チームのためになる」と公言する指揮官の言葉は、25年間も現役生活を続けていただけに説得力がある。
4年目の番長ベイスターズ。より逞しく、強くなるための戦いのゴングは、すでに鳴っている。
■執筆者プロフィール
萩原孝弘:1971年生まれ。生まれも育ちも横浜の生粋のハマっ子で、大洋が横浜に移転して以来、一貫してホエールズ〜ベイスターズファン。
23年のオフィシャルイヤーブックもライターとして参加した。あくまでもファン目線で、独自のインタビューコラムや記事を各媒体で執筆中。
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(写真・取材・文/Sirabee 編集部・萩原孝弘)