約3億円かけたウィーンの噴水に非難殺到 市民から「醜くい彫刻と高コスト」と怒りの声
ウィーンに設置された噴水の余りにも醜い彫刻が物議を呼んでいる。総工費3億円のコストも問題視されている。
オーストリアの首都ウィーンに新たに設置された噴水が、醜さと過剰なコストから激しい批判を浴びている。『AFP』やアメリカ『Yahoo!』などが報じている。
■工費3億円の噴水
問題になっている噴水は、社会民主党のミヒャエル・ルートヴィヒ市長が率いる左翼政権によって、制作が依頼された。オーストリアのアレクサンダー・ファン・デル・ベレン大統領とともに、10月に落成式が行われたばかりだ。
33体の人型彫刻が円形に座っているのが特徴で、ウィーンの挑発的なアーティスト集団「ジェラティン」によって制作され、総工費に180万ユーロ(約2億9,225万円)がかけられた。
ジェラティンは1993 年から展示を行っており、国際的な実績もある。今回は「ヒューマノイドをイメージした」とのことだ。
■評論家と市民に不評
しかしこの噴水のデザインは、「一体感を巧みに表現している」と関係者が称賛する一方で、批評家たちや市民からはその芸術性と膨大なコストを問題視し、怒りの声が寄せられている。
「文化批評家」と呼ばれるX(旧・ツイッター)アカウントへの投稿では、噴水のデザインと納税者にかかる莫大な費用を非難する内容が760万回以上閲覧され、大きな反響を呼んでいる。
多くのネットユーザーたちは「今まで見た中で最も醜い噴水」だと評し、彫刻はフランスのタイヤメーカーのマスコットであるムッシュ・ビバンダム(ミシュランマン)にそっくりと指摘されてもいる。
■政界からも批判
ウィーンの近代的な水道システムは、アルプスの森の小川から流れる清らかな水であることが有名。コレラなどの病気を克服するために、オーストリア・ハンガリー帝国の下で1873年に設置されたという長い歴史がある。
一連の人々の批判に、市町らの「政敵」もすばやく反応した。強硬派で知られる右派政党・自由党の党首ヘルベルト・キックル氏は「醜い人物像の豪華な噴水の存在で、ウィーンのイメージが損なわれた」と非難。さらにルートヴィヒ市長の所属政党である社会民主党については、「感覚がズレている」と糾弾した。
また一部の市民からは、「アート作品をコストで判断するのはナンセンスだ」との声もあがっており、この斬新すぎる噴水に起きた論争はまだまだ続きそうだ。
■物議を醸しているウィーンの噴水
Der Name des Jubiläumsbrunnens „WirWasser“ steht für die Verantwortung, die die Gesellschaft für das Wasser trägt. Der bautechnisch sehr anspruchsvolle Brunnen wurde in nur acht Monaten umgesetzt und befindet sich am Eingang zum Helmut-Zilk-Park, Ecke Gudrunstraße/Sonnwendgasse. pic.twitter.com/g7UKaodfAs
— Michael Ludwig (@BgmLudwig) October 24, 2023
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(文/Sirabee 編集部・ジェス タッド)