怒った医師が手術をストライキ 理由は「頼んだ紅茶が出てこなかったから」
看護師ら頼んだ紅茶が運ばれてこなかったことに怒り、その後の手術を放棄した医師。あってはならない問題が起こってしまった。
医師は日々神経を使う職業だが、手術を担当するともなれば、その疲労や緊張は相当なものだろう。しかし、だからといって身勝手な理由で手術を中断するなど、言語道断だ。
ある医師に大変な非難が寄せられていることを、イギリスの『Daily Mail』や『Sky News』が報じた。
■スタッフに紅茶をリクエスト
問題になっているのは、インドの中央部に位置するナグプールで産婦人科医をしているテジュラン・バラヴィ医師。3日、市内の保健センターで女性8人の避妊手術を行うことになっていた。
4人の手術を終え、残り4人の女性に麻酔をかけたところで、バラヴィ医師は看護師やスタッフに「紅茶をここに運んでほしい」と頼んだという。
■誰一人紅茶を用意せず
ところが休憩から戻ったスタッフたちは、バラヴィ医師からの要望をことごとく無視。激怒したバラヴィ医師は残りの手術を放棄し、手術室を去ってしまった。
慌てた保健センターの管理者は、地区の医療施設から急きょ代わりの医師を派遣してもらい、何とか事なきを得たという。
このトラブルの発覚後、ナグプール地区の責任者であるソウミャ・チャルマ氏は、「医師のかなり身勝手な理由であり、極めて深刻な問題だ」と世間に訴えている。
■責任者は刑事告訴を要求
チャルマ氏はまた、「たった1杯の紅茶で重要な医療処置を放棄するなど、法的責任を問われるべき案件だ」として、刑事告訴を求めた。
これを受け、当局はバラヴィ医師や当日のスタッフたちから事情を聞くなど、現在も捜査を行っている。
世間からは「変な医師ってたまにいるよね」「8人の手術を1日でっていうのも負担が多すぎる」など、さまざまな反響があるようだ。
■医師によるトラブルは米国でも
医師の怠慢や確認不足により甚大な被害は、世界各地で起きている。
2022年12月、アメリカ・シアトルのワシントン大学附属病院で、虫垂の切除手術を受けたジョージ・ピアノさん(72)は、術後にも激しい痛みが続いたため検査を受けた。
すると、虫垂ではなく大腸の一部を切除していたことが発覚し、さらに4回の手術が必要となった。ジョージさんは重大な医療ミスだとして、損害賠償を求める訴訟を起こしている。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)