食中毒「チャーハン症候群」がSNSで話題 過去に5日放置したパスタで男性が死亡
食中毒で死亡に至った男性の話題が再浮上。SNSで注目されている「チャーハン症候群」とは…。
放置していたパスタを食べた男性が、食中毒で死亡。「チャーハン症候群」としてSNSで注目され、『Yahoo.com』『DailyMail』が取り上げている。
■「チャーハン症候群」が話題に
2008年、ある男性(当時20)が5日間も食卓に放置していたパスタを食べ、死亡した。
認定救急医学医師のジョー博士が、男性の死因となった食中毒「チャーハン症候群」の解説動画をTikTokに投稿。これが話題となり、65万件以上の「いいね」と1万8,000件のコメントが寄せられた。
食中毒の原因は、一般的に魚や肉類に微生物が増殖することによる。しかし「チャーハン症候群」は、セレウス菌が引き起こす特殊な形の食中毒だという。
この症候群のリスクが高くなる食品は、ご飯、パスタ、シリアルなどの加熱処理後のタンパク質の高いものが多く、スパイスの効いた混合食品も危険である。セレウス菌による食中毒は、摂取後30分~6時間以内に嘔吐を引き起こし、また8~16時間以内に下痢を引き起こす。
■再加熱しても菌は死滅せず
ジョー博士によれば、セレウス菌は生の米やパスタに存在し、調理後にも芽胞(がほう)という組織が残るという。この芽胞は、30℃の環境に20分間放置すると2倍に増殖する生命力をもっていると説明している。
さらに、芽胞を90℃で60分間加熱した実験でもセレウス菌が残り続けたことから、再加熱によっても死滅しないことが明らかになっている。そのため加熱処理された食品でも、2時間以上にわたり常温で放置するのは危険だ。
また食中毒症状は、摂取後16時間以内に現れるが、健康な人であれば48時間以内に症状は治まるとのこと。よって死亡する事例は非常に珍しいそうだ。
■食中毒のリスクを減らすには?
セレウス菌は、一度増殖すると死滅することはないため、保存方法が重要となる。食品基準局は、調理した食品はできるだけ早く食べきり、60℃以上に加熱することでセレウス菌の活動を抑えることを推奨している。
調理済みの食品を保存する際には、蒸気がなくなったらすぐに冷蔵庫に入れること、小分けにして短時間で冷ますことがポイントだという。また、5℃以下の冷蔵庫に保存し、3~4日以内には食べることをすすめている。
そして食品の安全のために、調理前は手洗いを徹底し、キッチンを清潔に保つことが重要であると指導している。
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(取材・文/Sirabee 編集部・本間才子)