岸田文雄首相、創価学会・池田大作名誉会長を追悼も… 「政教分離の原則」に賛否の声
創価学会・池田大作名誉会長の訃報に内閣総理大臣として弔意を示した岸田文雄首相だったが、これが物議を醸している。
創価学会名誉会長・池田大作氏の訃報を受け、岸田文雄内閣総理大臣が18日に自身のX(旧・ツイッター)を更新。同氏に対する追悼の意を示したが、これに賛否が分かれている。
■「深い悲しみにたえません」
岸田首相は同日午後、池田氏の訃報を受け「池田大作氏の御逝去の報に接し、深い悲しみにたえません」と投稿。続けて「池田氏は、国内外で、平和、文化、教育の推進などに尽力し、重要な役割を果たされ、歴史に大きな足跡を残されました」とつづり、生前の功績を称えた。
続けて、「ここに謹んで御冥福をお祈りするとともに、御遺族の方々および御関係の方々に対し衷心より哀悼の意を表します」と追悼し、最後は「内閣総理大臣 岸田文雄」との署名も添えた。
■内閣総理大臣としての声明が物議
しかしこの投稿に対し、引用ポストやリプライ欄では賛否の声が湧く。一部では「一学会員として心より御礼申し上げます」「『文化人池田大作』に向けたメッセージであること理解しような」といった声があるものの、内閣総理大臣名義での追悼には疑問が噴出。
「リップサービスだとしてもそれはどうなの…?」「内閣総理大臣名で宗教法人のトップの訃報にコメントを出すのは問題では? 個人として弔意を持つのは問題ないけれど…」「一国の首相が、宗教団体の親玉の訃報にあたりコメントするって普通ですか?」といった声が多数寄せられている。
また、「政教分離が原則なのに、混同を認めちゃっていることになる気も」「政教分離の原則を遵守してください」「政教分離に抵触しそうな発言」など、憲法で定める政教分離の観点からの指摘も噴出している。
■公明党と連立を組む自民党
池田氏をめぐっては18日午後、15日よるに新宿区の居宅で死去していたことを創価学会が発表。年齢は95歳、死因は老衰であり、すでに近親者のみで家族葬が営まれたという。
池田氏は1960年に創価学会の会長に就任し、以降、宗教法人としては国内最大規模にまで勢力を拡大。64年には公明党を設立し、同党は岸田首相の属する自民党とは連立を組む関係にある。