マグロ、カツオ以外の「第3の魚」を使ったシーチキン 42年ぶり新種誕生の裏側に衝撃…
今夏、ブリを使ったシーチキンが爆誕した。マグロ、カツオ以外の魚を採用した理由に驚いて…。
シーチキンの主な原材料がマグロとカツオであることは、あまりにも有名だ。身がほぐれやすく、サラダやおにぎり、手巻き寿司など様々な料理に利用されている。
今年、マグロでもカツオでもない「第3の魚」を使ったシーチキンが爆誕したのをご存知だろうか…。
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■マグロでもカツオでもない「第3の魚」
今年8月、シーチキンの缶詰でお馴染みのはごろもフーズが、新商品「シーチキン Every(エブリ)」「オイル不使用シーチキンEvery」を発売した。従来のシーチキンは、ビンナガマグロ、キハダマグロ、カツオを採用していたが、「シーチキン Every」は原材料にブリを使用している。
マグロ、カツオに次ぐ「第3の魚」を使用したシーチキンはネット上でも話題に。「ブリ好きだから気になる」「ブリ好きとして買うしかない」「利きツナ缶したくなる」「どんな味なんだろう」など、興味を抱く人が続出している。
■ブリのシーチキン、食べてみると…
発売から約3ヶ月、遅ればせながらブリのツナ缶を食べることにした。見た目は、通常のシーチキンと変わらない。口に入れたところ、通常のツナよりも柔らかく感じる。
全体的な味としては、マグロやカツオを使ったものと変わらないが、後味でブリ独特のコクがあった。そのまま食べるのはもちろん、定番のマヨネーズをかけたツナマヨにしても美味しい。
なぜ、ブリを使ったツナ缶を開発したのか。はごろもフーズに取材したところ、シーチキンに隠された様々な裏側が明らかになったのだ…。
■ブリを採用した理由を聞いた
はごろもフーズの広報担当者によれば、シーチキンの主要な原材料であるキハダマグロとカツオは、海洋資源保護の観点等から漁獲量が不安定な状態が続いているという。また、世界的な需要増加により需給バランスが悪化。その結果、価格が高騰し、数量・価格の両面から調達が難しくなっているのだ。
広報担当者は、「お客様から愛されている『シーチキン』を永く安定的にお届けするため、魚種を従来の3魚種(ビンナガマグロ・キハダマグロ・カツオ)から4魚種に増やして供給体制を強化することを検討しました。魚種を追加するのは、1981年のキハダマグロ以来、42年ぶりです」と語る。
食卓の定番であるシーチキンが、そんな危機に陥っていたとは驚きである…。様々な魚の中からなぜブリを選んだのか。
こちらの質問に関して、広報担当者は、「シーチキンとしての美味しさを一番に考えながらも、原料状況、工場の設備や製造工程等を鑑みて採用しました。ブリは、マグロ・カツオ同様、たんぱく質が豊富に含まれているのが特長で、全国的に食べられている人気の魚です」「『シーチキンEvery(エブリ)』は天然ブリを使用しますが、天然ブリは北太平洋、特に日本近海を中心に分布しています。国内で水揚げされる多くの天然ブリは日本国内で消費されるため、世界的な需要の変動に影響を受けにくいという点も採用に至った要因の1つです」と話している。
あらゆる面で、ブリはシーチキンになり得る「優等生」なのだ。
■商品名の由来は…
ネット上では、「ブリ」とかけた商品名「エブリ」にも注目が集まっている。この名前の由来を尋ねたところ、広報担当者からは「いつものシーチキン(Every)・みんなから愛されるシーチキン(Everybody)・どこのお店でも出会えるシーチキン(Everywhere)・毎日の食卓に欠かせないシーチキン(Everyday)、多くのお客様に手に取っていただき、永く愛されるシーチキンの仲間になるよう名付けました」という回答が。
取材の最後に、広報担当から「ブリが苦手なお客様や、マグロ、カツオが好きなお客様も、一度手に取ってお召し上がりいただければ、いつものシーチキンと変わらない味に納得されると思います。ブリがお好きな方には、さらに『ブリらしさ』も味わえるシーチキンであると自信を持ってお勧めできる製品です。当社の未来を担う新しい『シーチキンEvery』が、シーチキンの仲間として愛されるよう育てていきたいです」という、何とも熱いコメントが寄せられたのが印象的だった。
ブリを使ったシーチキン、見つけた際はぜひ味わってほしい。※「シーチキン」は、はごろもフーズ株式会社の登録商標です。
■執筆者プロフィール
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
今期の推しは、『コタツがない家』(日本テレビ系)、『いちばんすきな花』(フジテレビ系)、『ゼイチョー~「払えない」にはワケがある~』(日本テレビ系)。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)