激化するイスラエル情勢 アラブ諸国ではイスラエルや欧米製品のボイコットが
戦闘が激化して1ヶ月が過ぎる中、反イスラエル感情の高まりによってアラブ諸国では反不買運動が広がる。
イスラム主義組織ハマスがイスラエルへの奇襲攻撃を実施して以降、イスラエル軍による過剰なガザ地区への空爆が続けられ、すでにパレスチナ側の犠牲者数は1万人を超えている。しかもその多くが女性や子供だ。
■イスラエルによるジェノサイドが続く
しかし、イスラエルのネタニヤフ政権はそれでも攻撃を弱める気配は見せない。イスラエルはハマスの壊滅を目指し、今後ガザ地区に軍を駐留させる方針だ。
これは正しく侵略の何者でもない。それによって、イスラエルへの批判の声が世界中で広がっている。
イスラエルが最初に攻撃に遭い、それによって多くのイスラエル市民が殺害されたが、その後のイスラエルによる過剰な攻撃は正当化できるものではない。
■アラブ諸国で広がる不買運動
それによって、今日パレスチナ側を支持する同じアラブ諸国では、イスラエルとそれを支持する米国への不満を強め、イスラエル企業や米国企業の製品を買うなとする不買運動がネット上で広がっている。
エジプトの首都カイロにあるスーパーでは、店主が自らイスラエル製品や米国製品(飲食類や衣類など)を店頭から撤去し、取引を停止したりしている。
トルコでも最近、議会がイスラエル支持を表明した企業の製品をレストランやカフェなどから撤去すると表明し、イスラエルや欧米の製品をボイコットする動きが広がっている。
戦闘は今後も長期化することが避けられない状況で、アラブ諸国やイスラム教徒が多い国ではこういった不買運動がいっそう拡大する恐れがある。
日本としてはイスラエル支持の立場を明確にすれば、石油の9割を依存する中東諸国との関係が冷え込む恐れがあるので、現状の立場を堅持するべきだろう。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)