「障害ある弟の世話を頼む」と親から期待され苦悩の女性 経験者からアドバイスも
「施設には絶対に入れない」「あなたが世話をしてやってね、約束して」。母親にそう言われたきょうだい児の女性が、世間に悩みを打ち明けた。
弟の世話に励む両親に「私たちの死後はあなたに任せる」とたびたび言われ、困っているという20代女性。「このままでは普通の人生は送れない」という投稿が、話題を集めている。
■弟の世話に追われる両親
海外で暮らす女性(28)は、ダウン症および重度の自閉症を持つ弟(16)がいるきょうだい児だ。
弟は話ができず、ひとりで食事もできなければ、おむつも必要としている。毎日24時間体制の介助が欠かせないため、母親は専業主婦になり、弟の世話に没頭するように。父親は経営していた小さな会社をたたんでアルバイトを始め、弟の世話に時間を費やすようになった。
それでも弟は、外であろうがストレスを感じればいきなり服を脱ぎ、癇癪を起こして物を壊すことも少なくない。学校には行っているが特に大きな進歩はなく、今後も今の状態のまま変わりそうにない。
■実家に戻り介助を手伝うように
両親は50代後半で、最近では体力的にもずいぶん弱っている。父親は心臓病を患い、手術を受けたが完治はしていない。また母親はがんになり何度か手術を受け、今も化学療法を受けているのだ。
苦労している両親を手伝うため女性も転職し、実家に戻った。今は週に3日の在宅勤務を続けながら弟の世話を手伝っているが、すでに心身ともに疲れ切っている。
■「弟を頼む」と言われ…
弟を施設に入れれば全員が楽になれるのに、両親はその案を頑なに拒否。最近では自分たちの死後まで心配し、「約束して」「母さんたちが死んだら弟の世話をお願い、施設は絶対ダメだからね」とたびたび言うようになった。
「このままでは、結婚し家族を持つことも難しい」「弟なんていなければ良かった」と感じては罪悪感でいっぱいになるという女性が、ネット掲示板『Reddit』に投稿。「この思いを吐き出してしまいたかったんです」と書き込んだ。
■「両親と話し合いを」という声
投稿を読んだユーザーたちは女性の気持ちを理解し、「施設に入れる方向でご両親と話し合ってみてはどうか」と助言している。
また自身もきょうだい児だというユーザーは、「うちの両親は施設を選択しました」「きょうだい児に世話を任せるのはフェアじゃない」「あなたの将来を奪う行為です」とコメントした。
他にも、施設の利点について「プロが世話してくださる」と主張するユーザーも。「あなたが世話をやめれば両親も『自宅での世話はもう限界』と気づくのでは?」「自分の人生を諦めてはだめ」「あなたは決して悪くない」と書き、女性を励ましている。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)