ボタン押さなかったエレベーター、閉まるまでの時間に驚き 現代人の8割が「倍以上」と誤解を…
エレベータの扉が「自動で閉まる時間」に関する意識調査を実施。我われ現代人は、だいぶ「せっかち」であることが判明した。
今から130年以上も前の1890年(明治23年)11月10日、東京・浅草に日本初の電動式エレベーター が登場。この出来事が由来で、本日11月10日は「エレベーターの日」と定められている。
月日は流れ、今ではエレベーターは我々の生活に「なくてはならない物」となった。今回は8割以上の人が誤解している「エレベーター内の体感時間」について紹介したい。
■人は焦ると連続で…
イライラしたり焦ったりした際、貧乏ゆすりなどの動作を繰り返す人は珍しくない。中には目的地に着きたいという思いが逸り、エレベーターのボタンを連打した経験がある…という人もいるのでは。
しかし当然ながら、ボタンを連打したところでエレベーターの運行状況には何ら変わりは生じない。では反対に「ボタンを押さなかった場合」は、エレベーターのドアが自動で閉まるのに何秒を要するのだろうか。
■「5秒」「10秒」「15秒」のうち、どれ?
以前Sirabee編集部では、全国の10〜60代の男女975名を対象に、エレベーターに関する意識調査アンケートを実施したことが。
その際にエレベーターの扉が「自動で閉まる時間」について尋ねたところ、全体の51.1%が「10秒」と回答。次いで「15秒」が28.9%と多く、最も少ないのは「5秒」(20%)であった。
半数以上が「10秒」を選択していたが、実際に時間をカウントした経験がある…という人の方が少数派であろう。つまり今回のアンケート結果は、回答者の「体感」や「イメージ」に依る部分が大きいと思われる。
そこで今回は、エレベーターやエスカレーター、動く歩道の専業メーカー「フジテック株式会社」に、エレベータのドアの「自動開閉」の詳細について話を聞いてみることに。
■現代人、流石にせっかちすぎる…?
やや話題が変わるが、エレベーターの「車いすボタン」を押すと、通常のボタンと比較して開閉時間が長くなることをご存知だろうか。
以前こちらのトピックについて尋ねたところ、フジテックからは「乗場から乗車する利用者の有無、かごから降車する利用者の有無など、様々な場合に分けて、一般用ボタンを押した際に開く時間を3~6秒に調節しています」「車いす用ボタンは約10秒間ドアが開きます。車いすをお使いの方が安心して乗り降りできるよう、長く設定しています」との回答が得られた。
つまりエレベーターが自動で閉まり始めるまでの時間は「約5秒」なのだが…じつに8割もの人々が「倍以上の時間がかかっている」と感じているのだ。現代人はタイパ(タイムパフォーマンス)を気にしがちだが、とはいえ流石にせっかち過ぎやしないだろうか。
おおよその秒数が定められた経緯について、フジテック担当者は「秒数を長くし過ぎるとドアがなかなか閉まらず、エレベーターの運転効率が悪くなってしまいます」「そのため前出のようなそれぞれの場合において、利用者がいなくなるであろう時間に調節します」と説明している。
急ぎの用事がないときはエレベーターが「自動で閉まる秒数」を、頭の中でカウントしてみると、思わぬ発見があるかもしれない。
■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ 取材協力/<a href="https://www.fujitec.co.jp/">フジテック</a>)
対象:全国10代~60代男女975名 (有効回答数)