『鳶』をなんと読む? 上空を舞いながら「ピーヒョロロ」と独特の声で鳴く鳥とは
いつ見ても空を飛んでいる様子からその名が付いたという説もあるようだが…。
■「鳶」は何と読む?
Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「鳶」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で94.2%の人が「とび」、5.8%の人が「しぎ」と読むと回した。
「とび」と読む人は男性が93.8%で女性が94.6%。「しぎ」と読む人は、男性が6.2%、女性は5.4%という結果に。
■正しくは「とび」
「鳶」の正しい読み方は、「とび」。タカ目タカ科に属する鳥類の一種で、「ピーヒョロロロロ」と鳴きながら、スイーッと羽ばたくことなく上昇気流に乗って舞う姿を見たことがあるという人も多いのではないだろうか。
このようにして空高く舞い続け、いつ見ても飛んでいるように見えることから「飛び=とび」となったとも言われているが、その名の由来は定かではないようだ。
■上空を旋回し獲物を見つけると急降下
鳶が上空を旋回するのは食べ物を見つけるためだという。地上の小動物の死体や昆虫、ヘビやカエルなど、死肉や比較的動きの遅い生物を狙っているようで、のんびりと空を舞っているように見えるが、獲物を見つけると急降下し足で掴むようにしてさらっていくのだそう。
「鳶に油揚げをさらわれる」なんて言葉があるように、突然急降下してきた鳶に食べものをとられてしまったという話しを聞いたことがある人もいるだろう。上空に鳶がいるときには食べ物に注意したほうがいいかもしれない。
■「しぎ」の漢字は「鴫」
「しぎ」は漢字で「鴫」と書く。「鴫」という文字は奈良時代に日本で形成された国字で、田んぼに来る鳥という意味を持つという。林や草地、農耕地などに生息する「ヤマシギ」と、水田や湖、沼地、河川などに生息する「タシギ」がおり、両方とも狩猟鳥獣に指定されている。
日本では食用とされてきた歴史もある。“しぎ”と名がつく「鍋しぎ」という料理があるが、一説には、獣の肉を食べられないお坊さんが鴫肉の代わりにナスを使って作るようになったものだとも言われている。
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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)