Nintendo Switchの飲酒運転ゲームが配信停止に 「3歳以上推奨」でリリースされていた
飲酒運転のゲームが「3歳以上推奨」で配信停止に。原因は、無料でできるレーティング審査にあった?
Nintendo Switchで配信されていた飲酒運転を体感できるドライビングゲームが、突如配信停止となった。原因はレーティングに「全年齢対象」を使用していたためと見られている。
「Eurogamer」「TechRadar」などの海外メディアが報じている。
■飲酒運転のドライブシム?
Nintendo Switch向けゲームとして10月15日にリリースされた『Need for Spirit Drink & Drive Simulator』は、一般的なドライビングと違い、飲酒運転がゲーム体験の大きなウエイトを占めているようだ。
ゲームの説明には「アルコール飲料を配達する仕事を請け負ったドライバーが、自らのアルコール中毒や危険な道と戦う」とあり、険しい配達コースを歪んだ視界の中で走破するのが目的となっている。
プレイヤーの運転する車には大量のアルコール缶が積まれているため、ドライバーは誘惑に負けて、このお酒を盗み飲みしながら運転しているということだろうか。
■3歳以上推奨は無理がある
本作では飲酒運転をした際に視界がぐにゃぐにゃと歪むのが特徴で、その状態で泥道や湿地帯などの悪路、時には断崖絶壁のような現実離れしたコースを走ることになる。
ただし、このゲームに使用されていた対象年齢を示すレーティングは「PEGI 3+」であり、通常このようなテーマのゲームに付けられるものではない。
ゲーム内でアルコールや違法薬物を描写または使用する場合、PEGIの基準であれば「PEGI 16」または「PEGI 18」を使用しなければならないはずである。
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■5年前にSteamで発売していた
PEGIは欧州のレーティング機関で、「3+」は3歳以上推奨ということだが、PEGIのレーティングに3歳以下は存在しないため、実質的には国内機関の「全年齢対象」と同じことである。
奇妙なことに、同じゲームが2018年にPCのSteamで発売されている。さらに2023年にはEpic Storeでもリリースされており、そちらのレーティングは「PEGI 16」となっているのだ。
PCでは16歳以上推奨となっていたのに、なぜNintendo Switchでは全年齢になってしまったのか。どうやらそれには別のレーティング団体の審査結果が関係しているようだ。
■無料のレーティングが原因か
このゲームが日本で配信された際、IARC(International Age Rating Coalition)による審査は「IARC 3+」だった。そのため本作はまずIARCの審査を受け、その結果が各国のレーティング機関の同じ区分に振り分けられてしまったようだ。
IARCの審査は無料かつ申告制で、他の機関と比べてハードルが低くく小規模開発者に人気がある。そのため、今回のように十分に内容が精査されないままにゲームがリリースされてしまうことがあるのだろう。
ちなみに本作のSteamレビューは全体で「賛否両論」となっており、上位レビューには「50セントの価値しかない」「トラウマになった」「ほぼ遊べないレベル」と辛口コメントが連なっている。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)