リアリティ番組出演をめぐり夫婦ゲンカ 妻を殺害した夫に終身刑下る
リアリティ番組に出演したかった夫。それを拒否する妻と意見が対立し、殺人事件にまで発展した。
アメリカで妻を殺害した罪に問われていた夫の裁判が開かれ、終身刑が言い渡された。『CBS News』『USA Today』などが報じた。
■妻が変わり果てた姿で発見
2018年4月24日、フロリダ州の住宅で女性が遺体で発見された。亡くなったのは、この家の住人女性(39)で、第一発見者は同居していた夫(55)だ。
夫は駆け付けた警察官に、「家の掃除をして犬の散歩から帰ってきたら、妻がバスタブの中で亡くなっていた。入浴中に足を滑らせて転んだんだろう」などと話した。
しかし警察官らは、夫の話に違和感を覚えたという。妻の顔面や首まわりに、殴打と絞められたような痣があったからだ。
■殺人容疑で夫が逮捕
不審点は他にもあり、捜査員らが駆け付けた時、妻は濡れていないばかりかリビングに横たわっていた。これについて夫は、「妻を浴室から引き上げた。心肺蘇生をするためだった」などと説明したが、現場検証では寝室から妻のものとみられる血痕が見つかった。
司法解剖の結果、妻は頭部を殴打され、首を絞められたことによる窒息死と判明。頭蓋骨が割れるほど激しく殴打されていたという。警察は寝室で夫が妻を殺害したとみて、調べを進めて行った。
事件発生から4ヶ月後、起訴できるだけの証拠が揃ったようで、夫は殺人容疑で逮捕された。しかし、一貫して容疑を否認したという。
■テレビに出たい夫と拒否する妻
その後の裁判で、徐々に事件の詳細が明らかになっていく。夫妻は事件の約2年前に、現場となった家を購入していた。大がかりな修理が必要な荒れた家だったが、夫には家をリフォームするリアリティ番組に出演する、という目的があったのだ。
実際、夫は番組関係者に連絡を取って、出演の方向で話を進めていたものの、妻がそれを拒否していたという。
夫妻の出演を求めていた番組関係者は、直接2人に会って最終確認を行ったが、妻は「分かっています」とだけ返答してその場を去ったと証言している。
■夫に終身刑判決
事件はこの「最終確認」から数日後の出来事だった。検察側は、番組出演を拒否する妻と口論になり、夫が妻を殺害したと主張。一方で夫側は妻殺害を否定し、犯人は別にいると訴えた。双方の主張が真っ向から対立する中、審理は進んでいった。
そして最近開かれた陪審員裁判で、ようやく判決が下った。夫は第一級殺人罪で有罪、終身刑を言い渡されており、検察側の主張が認められた形だ。判決を受けて、夫が控訴するかは報じられていない。
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(取材・文/Sirabee 編集部・宮 ちてら)