長距離を泳ぎ疲れ果てた鹿2頭が救助 自ら野生動物警察のボートに近づき…
アラスカの海峡を泳ぐ衰弱した鹿2頭を、州警察が保護した。近隣で鹿が島から島へ泳ぐ姿は珍しくないという。
アメリカ・アラスカの州で、溺れるように泳ぐ鹿2頭を、偶然通りかかった州警察のボートが発見し救助した。『People』や『UPI』が報じている。
■溺れる鹿を救助
アラスカ州警察が、同州南東部のクラレンス海峡の海岸から4マイル離れた海中で、もがき苦しんでいる2頭の鹿を見つけた。
州警察本部広報担当のジャスティン・フリーマンさんによると、野生動物警察隊員がケチカンの街に戻る途中で、近くで泳ぎながら疲れ切った2頭の鹿を発見したという。
鹿は流れに逆らって必死に泳いでおり、「2頭はボートに乗りたいようで、頭からボートの側面に突っ込んできました」「泳ぎながらステップの上にいる警察官の所へ行き、後部デッキに自ら乗ってきました」と当時の様子を振り返った。
■震えて衰弱する姿も
野生動物警察隊員は、救助の模様をInstagramで公開した。鹿は助けを求めるようにボートに向かって泳ぎ、その後に隊員に引き上げられ、ボートのデッキで震えながら座っている姿も映されている。
2匹の鹿は抵抗することなく大人しく腰掛けていたが、疲れ果ててストレスを感じているようだったという。ボートの上ではしばらくの間、立つこともできなかったそうだ。
■浜辺まで鹿を送迎
鹿たちを救助した隊員たちは、クラレンス海峡の浜辺までボートを進めて鹿たちを降ろした。
降ろした直後は立ったり歩いたりするのに苦労していたが、5分もしないうちに上手に歩けるようになり、トコトコと歩き出したという。
南東アラスカでは、鹿が島から島へ泳いで移動することは比較的よくあることだという。ボートを漕いでいる人は、鹿を水中で見かけたら場所を空け、野生動物たちにとって危険な航路を取らないようにする共通認識があるそうだ。