電車内のマナー違反に怒る男性、よく見ると… ポスターに描かれた「秘密」に共感の嵐
電車内でのマナー違反を啓発するポスター。よく見ると、気付かされることが…。
足を組んで座る、大声で喋る、ヘッドホンから音漏れする──。電車内での迷惑行為を見ると、思わず眉をひそめてしまう。
「アイツらはマナー悪いけど、自分は大丈夫」と思っている人もいるのでは。ネット上では、そうした人の心に刺さるポスターが話題を呼んでいて…。
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■電車内でのマナー啓発ポスターが話題
ことの発端は、10月初めに投稿されたあるX(旧ツイッター)ユーザーのポスト。内容としては、電車内でのマナーを呼びかけるポスターの完成度が高いというもの。
「自分は絶対守れてるって実はみんなが思ってる」と題したポスターは、左上の若い男性が歩きスマホをする女性を見て、「あぶねえなぁ…」と眉をひそめるイラストから始まる。右隣には、眉をひそめる男性を見た若い女性2人組が、「入り口塞いでるの気付かないの?」と不快感を示す。
だが、女性2人の下に描かれたメガネの男性は、女性達の話し声に対して「うるさいなぁ…」と苛立っている。左上の男性から時計回りに読んでいくと、それぞれの登場人物が他人のマナー違反に腹を立てながらも、じつは自分も迷惑行為をしていることが分かるのだ。
■ネットでも共感の嵐
電車内や駅のホームで、車内のマナー違反に注意を呼びかけるポスターはよく目にする。件のポスターは、ストーリー性を持たせて、何気ない行動が無意識に他人の迷惑になっている可能性があると伝えているのだ。
完成度の高いポスターはネット上でも話題に。「我が身を省みよってことですね」「全員が繋がってるの気付いて驚いた」「自分は絶対正義だと思ってるけど、他人から見れば別のことで迷惑かけてたりする」「これは心に刺さる」など、共感する声が多数あがっている。
調べたところ、こちらのポスターは日本民営鉄道協会(関東鉄道協会)が2022年度の『駅と電車内の迷惑行為ランキング』をデザイン化したマナー啓発ポスターであることが判明。なぜ、このようなポスターを作ったのか。日本民営鉄道協会に取材した。
■ストーリー性を持たせたワケ
日本民営鉄道協会の担当者によれば、例年、同協会では電車内でのマナー向上を目的に、協会に加盟する72社の駅構内・列車内で「マナー啓発ポスター」を掲出しているとのこと。今年度も、「駅と電車内のマナーアンケート調査」を10月1日から11月30日まで実施中。
アンケート調査の狙いに関して、担当者は「『啓発ポスターの掲出』と『マナーアンケート調査』を同時に行うことで、両施策の相乗効果を図り、マナーに対する関心を一層高めることを目指しています」と話す。
今回は、ある人物の行動が別の人物にとって迷惑になるというストーリー性が注目を集めた。
ストーリー性を持たせた理由を尋ねると、担当者からは「迷惑行為の大部分は、故意ではなく無意識に行われている点に着目いたしました。『自分は絶対マナーを守れている』と思っていても、実は知らないところで心配りの欠如から迷惑をかけてしまっているかもしれません。そんな良識ある誰もが『迷惑行為の当事者』になってしまう可能性があることを伝えるため、ストーリー性を持たせたデザインにしました」という回答が。
「無意識にやっている」という点が、こうしたマナー違反における最大の問題かもしれない…。
■「マナーについて考えるきっかけに…」
今回のポスターは、Xを中心に拡散され、多くの人の目に触れている。ポスターの登場人物の行動を見て、「自分も前にやっちゃった…」と気付く人も少なくないかもしれない。
たくさんの人に認知されたことに関して、担当者から「本ポスターが多くの方にご覧いただけて非常に嬉しく思っております。本ポスターを機に、電車に乗るお客さまがマナーについて今一度考えるきっかけとなっていただければ幸いです」というコメントが寄せられたのが印象的だった。
電車内で騒ぐ人やイヤホンから大音量で音漏れしている人を見て、腹が立つこともある。そんな時、自分が何気なく行っていることが誰かの迷惑になっていないか注意してほしい。
■執筆者プロフィール
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。
仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
今期の推しは、『コタツがない家』(日本テレビ系)、『いちばんすきな花』(フジテレビ系)、『ゼイチョー~「払えない」にはワケがある~』(日本テレビ系)。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)