『ドラゴンボール』担当者の独立騒動、ビッグビジネスの目論見に「めちゃくちゃ夢がある話」 文春記者が激白
『週刊文春』電子版デスクが、『ドラゴンボール』担当者の独立について解説。これまでに叩き出した利益に、元記者も「ちょっとした国の予算」と驚く。
『週刊文春』電子版デスクの村井弦氏が、23日に更新されたYouTubeチャンネル『元文春記者チャンネル』に出演。漫画とアニメで世界的人気を博す『ドラゴンボール』にまつわる独立騒動について語った。
■利益は「ちょっとした国の予算」
今回の動画で取り上げたのは、今年8月に『文春オンライン』に掲載された記事。集英社で、長く『ドラゴンボール』を担当してきた編集者が部下2人と共に独立し、ドラゴンボールにまつわる権利ビジネスを手がける会社を設立したというものだった。
村井氏によると、これまでに『ドラゴンボール』全体が叩き出した利益は約3兆円とも言われており、スマートフォン向けゲーム『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』の総売り上げだけでも4,800億円を記録。これには、元『週刊文春』記者でジャーナリストの赤石晋一郎氏も「ちょっとした国の予算」と驚く。
■「めちゃくちゃ夢がある話」
記事によると、漫画の版権は集英社に残るが、ゲームや映像の権利を新会社が担当することに。ドラゴンボールのコミックスの累計は2億6,000万部だが、村井氏は「コミックスがこれから爆発的に売れることはまずない。横展開のほうのコンテンツビジネスのほうがでかい。そっちを3人が持っていくっていう、めちゃくちゃ夢がある話」と語った。
独立した人物は、集英社で「ドラゴンボール室」という部署に所属しており、社内で異動を命じられるも拒否。その後の独立につながったという。
村井氏は、「何でそんなことができるんだろう、と不思議に思うじゃないですか。やっぱり原作者の鳥山明さんに、すごい信頼されてるんだと思う」と話す。
■「コンサルに行くようなヤツ」が入社
村井氏は、漫画を手がける大手出版社の関係者の話として「最近は優秀な、東大を出た“コンサルに行くようなヤツ”が入ってくる。それは何でかというと、若いうちに漫画編集部に入って、自分でコミックスを立ち上げるとか、大先生と親しくなって、それをもって独立すれば億万長者になれるという…」と近年の流れに触れ、『ドラゴンボール』担当者の独立は「まさにその最大規模」と指摘。
文藝春秋では、これまであまり漫画は手がけておらず、村井氏は「最近ようやく、本腰入れてやり始めたんですけど…。僕らも頑張って漫画を何とかやろうと思っているんですけど、漫画が中心になっている出版社とは根本的に違うなと。同じ出版業界でも全然違う異空間」と苦笑していた。
■「最強すぎ」視聴者も驚き
村井氏の話に、視聴者からは「権利ビジネスで独立とか最強すぎ」「でも権利をもって独立ってなんで可能なのかやっぱり分からん…」「国家予算ぐらいの資産があるなら、ドラゴンボール基金作って、日本や世界の子供たちのための慈善事業ができないのかな」といった声が。
また、「週刊誌記者が主人公のマンガやってほしい。楽しいかも」と期待する人も見受けられた。