イスラム原理主義組織ハマスを憎む大家が母子を攻撃 男児は死亡し母親は重体
70代の男が6歳男児を刺殺し、その母親にもひどい怪我を負わせた。イスラム教徒を狙ったヘイトクライムだったとみられている。
罪のない幼い男の子がヘイトクライムのターゲットになり、命を落としてしまった。『ABC7 Chicago』『New York Post』などアメリカのメディアが伝えている。
■大家に襲われた少年と母親
アメリカ・イリノイ州で暮らしていた男の子(6)とその母親(32)が大家(71)にナイフで刺され、男の子が命を落とした。
おじが記者会見に出席し、「71歳の男がたった6歳の男の子の上に座り、26回も刺したのです」「どこにでもいる子供と同じでゲームが大好きでした」「とても心優しい子で、飛び跳ねるのも好きでした」と公表した。
おじは「世界中の人に知ってほしい。僕たちはアメリカで暮らしているんです。戦地ではなくね。ここに戦争を持ち込んだりはしないのです」とも述べ、イスラム原理主義組織ハマスによるイスラエルへの攻撃が、同事件の背景にあることを示唆した。
■「息子はもう大丈夫」と母親
12回刺され病院に搬送された母親は、男の子のおじら親族にメッセージを送信。そこには「刺された息子が『ママ、僕は大丈夫だよ』と言ってくれました」「息子なら、もう大丈夫。今はより良い場所(天国)にいるのだから」と書かれてあったそうだ。
母子は2年前から容疑者である大家が所有する物件の1階で暮らしており、特に問題もなく静かに生活していたようだ。
しかし事件の直前、ハマスの話をする大家と母親が激突。「平和のために祈りましょう」と言う母親に大家が怒り、「イスラム教徒は死ね」と叫んで襲いかかったのだという。
■「危険だ」と信じ凶行に?
事件発生時に留守にしていた大家の妻は、「夫はあの親子の退去を望んでいたんです」と話しているという。
また大家が「このままでは俺たちが危険にさらされる」「あの女はパレスチナの友達を呼び寄せて俺たちを襲わせるつもりだ」などと主張していたことも明らかになった。
そう思う根拠があったのか、それとも単なる思い込みだったのかなど、詳細は分かっていない。
我が子を殺害され重傷を負った母親は今も入院中で、重体だという。当局はこのヘイトクライムを「無分別で卑劣」と痛烈に批判し、「ハマスとイスラエルの紛争が原因で、イスラム教の母子がターゲットになってしまった」と明かしている。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)