激化するイスラエルとパレスチナの衝突 日本に与える影響とは
イスラエルは徹底抗戦の構え。それにより紛争が拡大すれば、石油の9割を中東に依存する日本のエネルギー安全保障は、壊滅的被害を受ける。
パレスチナ・ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスが10月7日、イスラエル領内にむけて数千発のロケット弾を発射して以降、イスラエル軍は徹底抗戦の構えで、ガザ地区への空爆を続けている。
■止まらない負のスパイラル
ハマスの戦闘員がイスラエル領内で侵入し、外国人を含む130人以上を人質として拉致しているが、ハマスはイスラエル側の対応次第では人質を殺害すると警告している。
今日、イスラエルのネタニヤフ政権は支持率低迷に悩んでいるが、今回の件でイスラエル国民の反パレスチナ感情が強まっており、強硬姿勢を貫くことで支持回復に繋げたいところだろう。
そういう意味で、イスラエルが妥協することは絶対になかろう。
■日本の石油事情は大丈夫か
そして、ハマスを長年支援してきたイランとイスラエルとの間でも緊張が高まっている。
レバノンやシリアなどに点在する親イランの武装勢力はイスラエルへの敵意を強めており、今後紛争がイスラエルパレスチナの範囲を超え、中東全体に拡大する恐れがある。
仮にそうなれば、輸入する石油の9割を中東に依存する日本にとっては死活的問題となる。ただでさえ今石油の値段が高い状態だが、中東で紛争が拡大するようなことがあれば、我々の生活はさらに圧迫されるようになる。
今後の情勢から目が離せない状況だ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)