世界的に稀な水アレルギーと闘う女性 「シャワーを浴びただけで皮膚にミミズ腫れ」
水アレルギーを持つ女性が、その苦労を語った。いじめも経験し、最近は虚血性大腸炎を発症して入院したという。
小麦や乳、蕎麦、えびなどのアレルギーは一般的に広く知られているが、マイナーな原因物質に苦しめられている人も結構多い。このほど「水アレルギー」の女性がそのつらさを訴え、世間の関心を集めている。アメリカの『People』や『ABC7 Chicago』が報じた。
■8歳で水アレルギーを発症
アメリカ・カリフォルニア州のフレズノに暮らす、テッサ・ハンセン・スミスさん(25)は、8歳の時に水蕁麻疹(水アレルギーによるじんましん)を発症した。
医師である母親のカレンさんが最初に皮膚の異常に気付いたそうで、その後数年にわたり専門家の検査を受け、水が原因だと判明した。
入浴しただけで皮膚にはミミズ腫れができ、頭皮からは出血してしまうといい、自身の汗や涙にも反応してしまう。
■母親に罪悪感も
さらに、水を飲んだり水分を多く含む食材を食べたりしただけでも、体が燃えるような感覚に。そのため、牛乳で水分補給をするしかないという。
カレンさんは「水が原因だということに早く気付いてあげられず、母親として医師として、罪悪感を抱いています」とメディアに明かしている。
以前は濡れタオルで体を拭いていたが、次第に皮膚が痛くなってくるため、日頃から汗をかくような活動を避け、デオドラントを使いうまく対処するそうだ。
■大学時にはいじめも
また大学の時には、いじめも経験した。症状を知った人たちがわざとテッサさんに水をかけたり、氷を投げたりしてきたのだ。
国立衛生研究所は「水温に関係なく、皮膚が水に触れると急速に蕁麻疹ができる稀な症状。原因は不明で男性より女性に多く、世界中で推定250人未満が罹患と推定」と説明している。
■虚血性大腸炎を発症
テッサさんは最近、脱水症状が原因で血流障害を起こし、虚血性大腸炎を発症。大腸に炎症ができ、血便や腹痛で入院したものの合併症から理学療法を受け、多額の治療費が必要になった。
家族がクラウドファンディングを設立し、人々に募金の協力を呼び掛けるなどつらい状況が続いている。しかしテッサさんは、「希望はまだ捨てていません。看護師になるため、1日でも早く復学し、仕事に就きたい」と抱負を明かしている。
■水アレルギーと闘っている女性
・合わせて読みたい→『壁蝨』をなんと読む? 糞や死骸が皮膚炎や気管支炎の原因にもなるアノ生き物とは
(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)