更年期障害でリモート勤務の女性がパワハラで解雇 社長から賠償金約680万円勝ち取る
更年期障害のためリモート勤務を余儀なくされた女性が、退職に追い込まれた。「言い訳だ」と主張する社長に、賠償金命令が出ている。
更年期障害で出社できなかった女性が、会社のパワハラで辞職に。女性は裁判で賠償金を勝ち取ったが、会社社長は「ただの言い訳」と非難しているという。『Mirror』や『DailyMail』らが報じた。
■更年期障害でリモート勤務へ
エンジニアリング会社で27年間勤めるカレンさんは、更年期障害を患っていた。2022年秋ごろから体調が急激に悪化し、頭痛や集中力の低下にくわえ、精神状態が不安定になっていたという。
そんなある日、カレンさんは大量の出血で出勤できなくなった。会社にその旨を伝え、リモート勤務で2日間なんとか仕事をこなしたそうだ。
そして体調が若干回復した次の日、午後から出勤することに。しかし廊下で社長のジム・クラークさんとすれ違うと、「おっと! 入ってこれたんかい」と皮肉たっぷりに言われたという。
■パワハラで退職
カレンさんは、2日間リモートで勤務したことを「更年期で出血がひどかったので」と説明。ところが社長は正当な理由として見なさず、立腹した様子だったという。
カレンさんの状況を察したマネジャーが、社長にもう少し気遣いがあってもいいのではとアドバイスした。しかし数日後、カレンさんが自宅から会計システムにリモートログインしようとするとアクセスが遮断され、勤務できないことに気が付いた。
事実上の解雇となったカレンさんは、社長に対し訴訟を起こす決心をした。
■「ただの言い訳」と社長
裁判の公聴会で、カレンさんは次のように証言した。リモート勤務について社長が「自分の好きな時にふらふらと出入りした好き勝手な行動」と非難し、「年間でどれだけ休暇をとったら気がすむのか」と言われたというのだ。
さらに、「更年期障害。そんなもんはクソくらえだ。さっさと仕事をしろ」「更年期障害はただの言い訳だ」と侮辱されたとも訴えた。これを社長は否定し、カレンさんが金銭目的に画策したものだと主張した。
■元上司は「化石」
カレンさんは以前より、社長が休暇を取る従業員を「スノー・フレーク」と呼んで侮辱していたことを知っていた。
だが、更年期障害の治療費を会社が肩代わりしてくれたこともあり、カレンさんの状況を社長は理解していると思っていたそうだ。
裁判官は不当解雇とハラスメントがあったとして、社長に3万7,000ポンド(約680万円)の賠償金の支払いを命じた。カレンさんは裁判に勝ったものの、社長から受けた仕打ちと発言に裏切られた感覚がぬぐえないという。
カレンさんは社長を「化石」と形容し、「この悪夢のせいで、新しい会社でも自分のポジションを見つけられずに苦労している」と話している。
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(取材・文/Sirabee 編集部・本間才子)