父親の姿を見てパイロットを志した息子 ラストフライトは親子で操縦
同じ航空会社のパイロットになった父子。父親のラストフライトで、ついに一緒に操縦桿を握った。
親の働く姿を見て、「かっこいい」と憧れを抱く子供は多く、同じ道に進むことも少なくないという。今まさに、そんな親子がアメリカで注目を集めていることを、『People』や『CNN』が報じた。
■パイロットの父親に憧れる
ミシガン州デトロイトに暮らし、サウスウエスト航空でパイロットをしているルーベン・フラワーズ・Ⅲさん(30)。父親のルーベン・フラワーズ・Jr.さん(65)もまた、同航空会社で30年近く活躍したパイロットだ。
ルーベンさんは、コックピットの機長席に座る父親の横で副機長席に座らせてもらい、記念撮影をした幼少期の写真を大切にしてきた。当時から、空を飛び回る父親の姿に憧れていたのだった。
■念願叶い親子でコックピットへ
「僕もあの席に座り、いつか父と一緒に飛行機を飛ばしてみたい」と夢見るようになったルーベンさんは、高校生から本格的に猛勉強。入社試験や飛行訓練に見事合格し、父親と同航空会社で飛行経験を積み重ねていった。
そして今年3月3日、定年退職するJr.さんのラストフライトに、ルーベンさんは副機長としてアサインされた。念願叶って、親子での操縦が実現したのだ。
■「最高の眺めのオフィス」
ふたりの夢を叶えたフライトは、イリノイ州シカゴからネブラスカ州オマハまでだった。機内にはきょうだいやいとこなど親族も搭乗。
ルーベンさんは「本当に素晴らしい経験でした。副機長席からキャプテンの父を見るのは、不思議な感覚でした」と明かす。
ルーベンさんが幼い頃、仕事に出かけるときのJr.さんの表情はいつも楽しそうに見えたそうで、そんなJr.さんもまた「フライトは本当に楽しいですよ。最も素晴らしい眺めのオフィスだと思っています」と、仕事に対する誇りを語っている。
■じつは「パイロット家系」
じつは父親ばかりか叔父も同航空会社のパイロットでキャプテンを務めており、いとこもパイロットとなるべく飛行訓練に励んでいる最中だ。
さらにはルーベンさんのきょうだい2人も飛行資格を持ち、民間航空会社のパイロットを目指し、試験を受けているという。
Jr.さんは「息子と操縦ができて最高に楽しい1日でした」と明かし、29年前にコックピットで撮影した写真と全く同じアングルで、フライト人生最後の1枚を撮影した。
■退職する父親と一緒に飛ぶ息子
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)