東山紀之新社長で注目、「タレント社長」のメリット 会社のトップに求められるもの
東山紀之新社長で注目を集める「タレント社長」。芸能人が社長を務めるメリットと課題とは…。
9月5日から、東山紀之がジャニーズ事務所の新社長を務めている。社長就任から1ヶ月経ち、今後どんな事業を展開していくか気になるところ。
近年、タレントが社長を務めるケースが多いが、企業の社長にはどんな能力が求められるのか──。
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■小栗旬や柴咲コウ、ダレノガレ明美も
東山は今年いっぱいでタレント業を引退し、社長業に専念することを表明しているが、芸能活動をしながら会社の社長を務める人も多い。
小栗旬は今年6月、所属事務所『トライストーン・エンタテイメント』の代表取締役に就任。ダレノガレ明美はアパレルブランド、柴咲コウはエンターテイメント、セレクトショップ事業を手がける会社で、山田孝之は江戸ガラスをプロデュースする会社の社長を務めている。
近年増える「タレント社長」の強みを取材することにした。
■「悲観的、楽観的視点」が必要
今回話を聞いたのは、教育IT系ベンチャー企業アドネス株式会社の代表取締役社長・三上功太氏。『月に1億円稼ぐ現役・東大生社長の勉強法』(KADOKAWA)の著書があり、起業・マーケティングスクールの講師も務めている。
三上氏によれば、社長には求められる「能力」と「資質」があるという。能力に関して、三上氏は「社長には実務を遂行する力、マネジメント力、人間力、ビジネスモデルを理解し、経営戦略や事業戦略を練る力、世界観を作る力などが求められます。これらは芸能人に限らず、一般的に社長に求められるものです」と話す。
では、社長に相応しい資質はどんなものなのか。こちらの質問に対して、三上氏からは「悲観的に物事を見て、その上で楽観的に対処できなければなりません。企業において、社長は最終防波堤なので、楽観的に対処する必要があります。仕事では様々な問題やトラブルが発生するため、それに対する対応が社長の力を決定します。その際、身近な人も裏切るかもしれないという悲観的な視点と、それでも前を向いて楽観的に振る舞う資質が求められるんです」という回答が。
ある種、相反する資質を持つ必要があるのだ。
■「タレント社長」の強み
これまで、会社の経営資源は「ヒト・モノ・カネ」と言われてきたが、三上氏によれば、最近は人々の注意を惹き付ける「アテンション」という要素も重要視されているとのこと。この「アテンション」こそ、「タレント社長」が持つ強みだという。
「芸能人は、人々からアテンションを集めて成り立っています。芸能人が社長を務めれば、多くの注目を集められます。注目が集まることで、『ヒト』が集まり、『モノ』も作れ、『カネ』を稼ぐことにつながります。アテンションを中心にした経営体制を築くことで、大きな利益を上げる可能性があります。このアテンションによる力は、他の会社では得られない、芸能人が社長を務める会社ならではの強みとなるでしょう」(三上氏)
■注意が必要な場面も…
「アテンション」は武器になるが、リスクもはらんでいるようだ。三上氏は、「社長として、時に非情な決断を迫られることがあります。その結果、一部の人を傷つけることが避けられない場面もあるでしょう。芸能人は注目度が高いため、このような場面での立ち回りには特に注意が必要です」と、諸刃の剣である点も言及する。
さらに、「タレント社長」にはこんな注意点も…。「実務遂行能力やマネジメント力、何より社長に求められる『物事を悲観的に捉えつつも楽観的に対処する資質』が備わっているのかが重要です。従業員のマネジメントや事業の方向性、市場の変動など、経営課題に対してもしっかり取り組む必要があります」(三上氏)。
単に人々の注目を集めるだけでなく、相応の能力や資質がなければ社員はついてこないかもしれない。
社名を変更し、新しい一歩を踏み出すジャニーズ事務所。東山は、単に注目を集めるだけでなく、社員からきちんと支持される社長になれるか──。
■執筆者プロフィール
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。
仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人 取材協力/<a href="https://addness.co.jp/">アドネス株式会社代表取締役社長・三上功太氏)