インドで今年も政府と蚊による戦いが開始 各地で繁殖防止と駆除への取り組み
8月上旬までに350人以上のデング熱症例が記録されたことにより、インド・デリー自治体は蔓延を完全阻止するため立ち上がり、各地で検査を行うなどした。
インドの首都デリーの自治体は、蚊が及ぼす病気の蔓延を阻止するための「戦争準備」に取り組んでいると発表した。現地メディアである『NDTV』が報道している。
■あちこちで繁殖する幼虫
デリーでは毎年8月9月の雨季になると、蚊によるデング熱やマラリアなどの病気が蔓延する。今年は8月5日までに350人以上のデング熱の症例が記録された。
デリー自治体が共有した情報によると、蚊の幼虫の繁殖を検出するために、20億以上の一般家庭や、その他の施設の検査を行った。その結果、過去数ヶ月で10万件以上の法的通知と、2万7100件の罰金が発生。合計17万6,765戸の住宅、建物、土地の敷地内で、デング熱の可能性を持つ幼虫の繁殖が確認されたという。
デリー市公社(Municipal Corporation of Delhi)によると、建設現場が最も脆弱な場所で、現場の21%で繁殖が確認された。次いで官公庁、公園や保育園、教育機関が続いている。
■蚊との戦い開始
現在はマラリア検査官、国内繁殖検査職員、現場職員、公衆衛生局職員たちによって、毎日10万件以上の検査が行われているという。
デリー市公社の管轄する12地区では、特別活動と啓発キャンペーンが加速され、3,000人を超える各所属職員と2,000人を超える現場職員によって繁殖を検出し、確実に駆除するために取り組んでいると発表した。
デリーでは、現地の公休日を含めて9月8日から10日までの間に「G20サミット」が開催。町中の整備と清掃に合わせ、隅から隅まで徹底的な幼虫の駆除活動が行われた。
■今年はアプリも活用
デリー自治体が発表した報告書によると、水場を循環して清潔に保つために、189ヶ所の水場に魚が導入されたと述べた。
また、苦情や対処法の認識を与えることを目的として、ソーシャルコミュニケーションアプリである「WhatsApp」によるグループが設立されている。
その他、活動の一環として、主要な関係者との会議が15回開催されたと関係者たちは語った。
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(取材・文/Sirabee 編集部・NaganoYae)