中国の禁輸措置や風評被害に悩む福島県産の海産物 8割が「買って応援したい」
海洋放出が始まって1ヶ月となる福島第一原発のALPS処理水。風評被害や中国の禁輸に悩む漁業者を「応援したい」との声も。
24日で1ヶ月となる東京電力・福島第一原発からのALPS処理水の海洋放出。
タンクに保管されている処理水のトリチウム以外の放射性物質濃度は、国の基準を大幅に下回っており、それを海水で希釈してトリチウムも基準値以下にしたうえで沖合に放出されている。
■海水検査でもトリチウム検出せず
放出が始まってからこれまでに4回にわたって海水の調査が行われているが、いずれもトリチウムは検出下限を下回った。海産物への影響も認められていない。
しかし、中国はこの海洋放出に反対。政府だけでなくSNS上などでも、科学的事実に基づかない誤った情報が拡散している。日本産の水産物も禁輸となり、漁業者への打撃も懸念される。
こうした状況に対して、福島県産の海産物などを「買って応援」する動きも。世間はどのように考えているのだろうか。
■8割が「買って応援したい」
Sirabee編集部が、9月8〜11日にかけて全国10〜60代男女1,000名を対象に「福島県などの海産物」について調査したところ、「積極的に買って応援した」との回答が19.3%。
「少しは買って応援したい」が最も多く、63.3%。中国の世論とは大きく異なり、8割以上が何らかの応援をしたいと考えていることがわかった。「あまり応援したくない」は12.0%。「全く応援したくない」はわずか5.4%だった。
■60代はとくに
今回の調査結果では、世代によってややバラつきも見られるが、「積極的に」と答えた人は60代が最も多く26.1%。50代が13.2%と最も少なかった。
ただ、どの世代も「少しは応援したい」という人を含めると、圧倒的多数が科学的な根拠のない風評に流されることなく、漁業者に対して自らができることを考えているようだ。
■執筆者プロフィール
タカハシマコト:ニュースサイトSirabee編集主幹/クリエイティブディレクター
1975年東京生まれ。1997年一橋大学社会学部を卒業。2014年NEWSYを設立し、代表取締役に就任。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。カンヌライオンズシルバー、TCC審査委員長賞、ACCシルバーなどの広告賞を受賞。
著書に、『ツッコミュニケーション』(アスキー新書)『その日本語、お粗末ですよ』(宝島社)
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)