アルツハイマー病の妻が夫の死に気づかず 友人が遺体を発見し警察に通報
自宅で夫が死亡したにもかかわらず、何が起こったのかまったく分からなかった妻。遺体はすぐそばに転がっているというのに、駆けつけた救急隊員に「夫は留守です」などと語った。
70代の女性が、夫の遺体が転がっている家で普段通りの暮らしを続行。数日後に家を訪れた友人が慌てて通報していたことを、『Thaiger』などタイのメディアが伝えている。
■夫の死を理解できず
タイ・ブンカーンで暮らす76歳のある女性と86歳のその夫には子供が3人いるが、それぞれが遠方で働いているため夫婦だけで静かな暮らしを続けていた。
だが女性も年を取って高血圧とアルツハイマー病に悩むようになり、先天性の疾患をいくつか抱える夫も体調が悪化。夫のほうは病院に通っていたというが、数日前に自宅で息を引き取った。
しかし妻は夫の死を理解することができず、夫の遺体が転がっている家で普段通りの生活を続けた。
■心配した友人が遺体を発見
数日後に、69歳の夫の友人が家を訪れ「ドアを開けてくれ」と声を張り上げたが、返事がない。心配になったため自分でドアを開けて家の中に入ったところ、バスルームのすぐそばに遺体が転がっていた。
すでに腐敗が始まっている遺体を見て驚いた友人は、家を飛び出して近隣住民に事情を説明。その上で通報し、「男性が自宅で死んでいる」と伝えた。
■妻は「夫は留守です」と発言
夫妻の自宅に駆けつけた救急隊員は、夫の遺体から約2メートル離れた場所で新聞を読んでいる女性を発見。
そこで事情をきいたところ「夫は留守にしています」「北部に行っているんですよ、私は家にひとりきりです」「もう食事の支度は済ませました」などと話した。
さっそく夫の遺体を回収して状態を確認したところ、死後4日ほど経過していることが明らかになった。
■近隣住民にサポート要請
当局は遠方で暮らす子供たちに連絡した上で、近隣住民にも事情を説明。「子供さんたちが戻ってくるまで、奥さんのサポートをお願いしたい」と要請した。
なお隣人らは以前から食べ物を届けるなどし夫妻を支えていたが、ここ数日は夫の姿を見かけなかったため気にはしていたとのこと。それでも夫妻は人の出入りを嫌がったため家には入らず、夫が死んだことに気づかなかった。
最近は高齢者の見守りサービスがかなり充実しており、多くの人が利用している。高齢の家族が遠方で暮らしており心配な人は、1度検討してみるといいかもしれない。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)