コロナ禍で進化したトイレのハンドドライヤーを発見 「神機能」の数々に驚き…
コロナで使用中止が続いたトイレのハンドドライヤー。TOTOは「進化版」を生み出していて…。
2020年のコロナ感染拡大直後、商業施設や飲食店のトイレに行くと、ハンドドライヤーに「使用中止」「感染拡大のため利用できません」といった紙をよく目にした。トイレのハンドドライヤーは、コロナ禍で大打撃を受けたと言っても過言ではない。
あれから3年、ハンドドライヤーは進化を遂げていて…。
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■風・水滴を吸い込むハンドドライヤー
今年1月、トイレやバスルームなど水回り機器でお馴染みのTOTOは、ハンドドライヤー「クリーンドライ(吸引・高速両面タイプ)」を発売した。同商品は、風・水滴を吸い込む吸引式を採用し、風の吹き返しや水滴飛散を抑える機能を導入したもの。
ハンドドライヤーが使用中止になったのは、トイレで手を洗った後に飛ばす水滴が飛沫感染につながる可能性があると危惧されたため。「クリーンドライ」は、そんな不安のもとである風の吹き返しと、水滴飛散を抑制する機能を備えている。
コロナ禍で使用中止状態が続いた時期もあったと思うが、なぜ件のハンドドライヤーを開発したのか。TOTOに取材した。
■「根本的な対策が必要」
TOTOの広報担当者によれば、同社はコロナ流行前から、より快適に使ってもらうため、風の吹き返しや水滴飛散の抑制に取り組んでいたという。コロナ禍になり、ハンドドライヤーの利用が制限される中、安心して使ってもらう方法を考えるようになった。
開発に至った経緯に関して、広報担当者は「ハンドドライヤーの利用で発生する水滴やマイクロ飛沫による感染リスクは、極めて小さいと報告されています。それでも『ハンドドライヤーがウイルスを飛散させているのでは?』と、不安に感じている方がいらっしゃるのも事実です。不安を解消するためには、これまでの延長線上ではなく、根本的な対策が必要だと考えました」と振り返る。
■神機能の数々に耳を疑う…
今回の「クリーンドライ吸引・高速両面タイプ」の主な特徴は、先述した吸引式に加えて、TOTO初採用となる「HEPAフィルター」の搭載と、これらをモーター1つで実現した「コンパクト設計」にあるとのこと。
広報担当者は、件のハンドドライヤーの機能について、「高速の風で水滴を吹き飛ばし乾燥させながら、吹き出した風と周囲の空気を吸引することで、ハンドドライヤーの外への風の吹き返しや水滴飛散を抑制します。吸引した風を商品内部の『HEPAフィルター』で浄化することで、より清潔な風で手を乾燥できます。『HEPAフィルター』は、空気清浄機やクリーンルーム用のエアコン等に一般的に使われている高性能なフィルターで、髪の毛の100分の1程の微細な粒子も99.97%捕集します」と、説明する。
さらに、コンパクトなデザインにすることで、ハンドドライヤーを洗面ボウル間にすっきり設置し、手洗いから乾燥までスムーズな動線で行えるようになった。これだけの神機能を備えているとは驚きである。
■どこで利用されているか
水滴飛散量は一般的な吹出し式ハンドドライヤーと比較して、約90%抑制できるという。コロナ禍を経て進化を遂げた画期的アイテム、現在どこで利用されているのか。
こちらの質問に関して、広報担当からは「主に商業施設やオフィス、交通施設などです。多くの方が使用する洗面空間がある公共施設が対象となります」という回答が。気付かない間に、会社のハンドドライヤーが「クリーンドライ」に変わった人もいるかもしれない。
コロナ感染拡大直後は、至るところで「使用中止」の張り紙がされていたハンドドライヤー。2022年10月に内閣官房から「ハンドドライヤーは使用できる」旨のガイドライン見直しの指針が発信されたこともあり、最近は利用できるところが増えた印象だ。
今後、トイレのハンドドライヤーは、より我々が安心して使える機能を搭載したものが増えるかもしれない。
■執筆者プロフィール
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に取材。飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。
仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。今期の推しは、『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)と『ばらかもん』(同系)。『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)の行方も気になる毎日。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)