ダウン症の父親が仕事に励み息子の夢を応援 父子の絆に感動の声噴出
ダウン症の父親は、息子の夢を叶えるべく小麦粉工場で必死に働いた。そんな父子は、互いを誇りに思っているという。
子供を一人前に育て上げるため、また不自由ない暮らしをさせるためにも、必死に働くという親は多い。またそんな親に、感謝の気持ちを抱いている人も多いだろう。
ある父子の強く、そして温かい心の絆に注目が集まっている。イギリスの『Daily Mail』やインドの『NEWS 18』が報じた。
■息子の夢を叶えるべく…
話題になっているのは、シリアのダマスカスに暮らす父子。サダー・イッサさんの父親であるジャドさんは、ダウン症を持って生まれた。
以前から「歯科医師になりたい」という夢を抱いていたサダーさんは、猛勉強をして2017年にハマ大学の歯学部に入学。そんな息子の夢を叶えるため、ジャドさんは小麦粉工場の作業員として働き、家族の学費や生活費を必死に稼いできたそうだ。
■世間から心無い言葉
サダーさんはかつてメディアに、障害を持つ父親に育てられる苦悩を「普通の人には想像ができない、強い忍耐力が求められること」と正直に告白していた。
しかし、一般的な家庭と特に異なることはなく、「両親は幸せそうで、夫婦仲はとても良いです」とも明かす。ただし「健常者の女性がなぜダウン症の男性と結婚するの?」といった心無い質問を、しばしば受けるという。
■医師として今の一番の幸せは?
そんな質問に対し、サダーさんは「同じ思考を持ち意気投合した男女が、なぜ結婚したらいけないのか」と反論。さらに「とてもシンプルなこと。両親は愛情深く、思いやりのある人たちです」と断言する。
そんなサダーさんは2年前に大学を卒業し、現在は一人前の歯科医師として病院に勤務。「医師となった今、一番幸せを感じることは」と尋ねられると、「父が『息子は歯医者なんです』と紹介してくれる時ですね」と明かした。
■「父が誇りです」
サダーさんのことを話す時のジャダさんの瞳は、誇りと喜びに満ちているそうだ。そしてサダーさんも「父が僕を誇りに思うのと同じくらい、僕も父が誇りです。他の父親だったら、違っていたかもしれません」と感じているという。
息子が医師になった現在も、ジャダさんは小麦粉工場に勤務し続けている。サダーさんは「愛情いっぱいに育て、金銭的にも精神的にも支えてくれた父親に、感謝してもしきれません」と語っている。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)