生まれたての仔馬が崖から転落死し農場主が悲嘆 観光客が自撮りのため群がり
イギリスの観光農園で、産まれたての仔馬が崖から転落死した。観光客が写真撮影のために放牧する動物に近づき、死亡させる被害が相次いでいる。
イギリスの自然豊かな観光農園で、観光客の自撮りが原因となり、生後間もない仔馬が崖から転落死する悲劇が起きた。同国の『BBC』や『LADbible』が報じている。
■ポニーの死亡事故が多発
イギリス・スウォンジーのロシリ湾は、風光明媚な人気の観光スポット。この地で先祖代々にわたり農家を営むニッキー・ベイノンさんは、険しく切り立った崖の上でポニーを放牧してきた。
しかし、近年押し寄せる観光客によりポニーの死亡事故が相次いでいる。2022年には、3頭が交通事故で死亡したという。
ベイノンさんの所有するジプシー・コブ種のポニーは、触れられたり近くで自撮りする観光客たちによりストレスを感じている。時にはドローンの音に反応したこともあり、ベイノンさんは驚きと恐怖からぐるぐる回るポニーたちを目撃したそうだ。
■仔馬が崖から転落死
そんな矢先、産まれたばかりの仔馬が崖から転落死した。母馬が崖の淵から数100メートルのところで出産した直後に写真を撮ろうとする人たちが群がり、仔馬が断崖に追いやられてしまったのだ。
ベイノンさんは「突然、産まれたばかりの仔馬がよろよろと立ち上がり、崖の縁につまずき落下したのです」と、当時の状況を悲しそうに語った。
■ポニーの放牧は中止に
現在、ベイノンさんは観光客の目から避けるために、放牧していたポニーたちを岬から安全な場所に移動させている。
以前は羊も放牧していたが、観光客のペットの犬に襲われる事件が相次いだため、放牧の中止を余儀なくされた。今度はポニーの放牧を断念し、これからの農場運営について考えているという。
■観光客に注意を促す
スウォンジーの国立沿岸監視機関は、ポニーに近づかないよう警告を毎日発している。先日も若い女性が種馬に近づき大怪我をするなど、観光客による事故は後を絶たない。
地域の自然や歴史を守る慈善団『ナショナル・トラスト・サイマル・ガワー』は、野生動物や牧草地で自由に草を食む家畜を守るために、「来訪者は動物に近づいたり餌を与えたりせずに、ルールを守ってほしい」と呼びかけている。
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(文/Sirabee 編集部・ジェス タッド)