『秋刀魚』をなんと読む? 秋の味覚の代表だが近年は漁獲量の減少が問題に…
水産庁のHPによると、残念ながら今年の漁獲量も低水準のようだ。
秋の味覚を代表する食材でもある「秋刀魚」。大根おろしにすだちを搾り、口に含めばふわりと広がる香ばしさ。いますぐにでも食べたくなった人もいるのでは…。
■「秋刀魚」は何と読む?
Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「秋刀魚」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で95.3%の人が「さんま」、4.7%の人が「たちうお」と読むと回した。
「さんま」と読む人は男性が94.7%で女性が95.9%。「たちうお」と読む人は、男性が5.3%、女性は4.1%という結果に。
■正しくは「さんま」
「秋刀魚」の正しい読み方は「さんま」。秋のサンマは脂肪分が多く独特の風味があり、日本では秋の味覚を代表する食材のひとつだ。含まれる栄養素としては、エイコサペンタエン酸が血液の流れを良くし、脳梗塞・心筋梗塞などの病気を予防するとも、DHAが脳細胞を活発化させ、頭の回転を良くするとも言われている。
しかし、2010年代後半にかけてその漁獲量は急激に減少。水産庁のHPによると、日本近海の水温上昇によりサンマの分布域が沖合に移ってしまったのが理由の1つだという。国立研究開発法人 水産研究・教育機構からは、2023年8月から12月の道東から常磐海域におけるサンマの漁況は、昨年と同様の低水準であるとの発表があったようだ。
■「秋刀魚」の登場は明治~大正時代
「さんま」の由来には、狭い、細いという意味の「さ(狭)」を用いた、“細長い魚”を意味する「さまな(狭真魚)」が変化し「さんま」になったという説や、大群をなして泳ぐ姿から“大きな群れ”を意味する「さわ(沢)」と“魚”を意味する「ま」からなる「さわんま」が語源であるという説など、諸説あるようだ。
「秋刀魚」という漢字表記の登場は明治~大正時代頃だと言われており、1922年(大正10年)に発表された佐藤春夫の詩『秋刀魚の歌』で、広くこの漢字が知れわたるようになったという。ちなみに、明治の文豪・夏目漱石は、小説『吾輩は猫である』の中で「三馬(サンマ)」と記しているようだ。
■「たちうお」の漢字は「太刀魚」
「たちうお」は漢字で「太刀魚」と書く。その姿が銀色で細長く、太刀に似ていることから「太刀魚」と呼ばれるようになったと言われている。また一説には、頭を上にして泳ぐため「立ち魚」と呼ばれたとも。
その身は柔らかく、塩焼きやバター焼き、ムニエル、煮付け、唐揚げと、さまざまな調理法で食されている。新鮮なものは刺し身や寿司、酢の物にすることもあるようだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・蒼羽 結)
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)