ガン宣告された父の願いを猛勉強して叶えた息子 「高校の卒業式を見たい」
50歳の若さで、膵臓がんのステージ4と診断された父親。「高校の卒業式を見てあげたかった」という父の願いに、息子は一念発起して飛び級を成し遂げた。
父親が、進行が速く難治といわれる膵臓ガンに侵されてしまったことを知った少年。彼は余命が長くない父親に、精一杯の親孝行をした。アメリカ・テネシー州に暮らす親子の話題を『PEOPLE』『TODAY』などが報じ、人々を涙させている。
■父親がステージ4の膵臓がんに
テネシー州キャンベル郡のジェリコという町に暮らすユアン・ディーンくんは、時期外れというべき8月30日に地元のジェリコ高校を卒業した。理由は父親の余命宣告にあった。
今年1月、彼の父親のレオンさんは50歳の若さで膵臓がんと診断された。ステージ4と聞くと、レオンさんは「せめてユアンが高校を卒業する姿を見たかった」と言って、ひどく打ちひしがれてしまったという。
■ハードな家庭学習の末に
そこで妻のマーサさんは、息子が通う高校へ。本来であれば2025年5月の卒業だが、「息子には猛勉強させます。卒業を早めてもらえませんか」と哀願した。
その後、ユアンくんはホスピスにいるレオンさんと一緒に過ごす時間を大切にしながらも、ホームティーチングを利用しながらハードな勉強を続け、ついに2年の飛び級が認められた。
■コミュニティの人々で会場は満席に
そんななか、レオンさんの余命がもうあまり残されていないことがわかり、ジェリコ高校は先週、特別に卒業式を開催。保護者やコミュニティの人たちが大勢駆け付け、会場は満席になった。
校長は「本日ここにお集まりいただいたのは、愛する息子の人生の節目である高校卒業の立派な姿をひと目見たい、という父親の望みを叶えるためです。コミュニティの人々の結束の強さにも感銘を受けました」と述べた。
■「この上なく誇りに思う」
卒業式の当日、父親のレオンさんは車いすで会場へ。闘病ですっかり弱ってしまった体を大柄な息子たちに支えられながら立ち、一家は記念撮影を行った。
校長からユアンくんに卒業証書が授与されると、レオンさんは青く輝くガウンを着用しているユアンさんを抱きしめ、「この上なく誇りに思うよ」とわが子の頑張りを称えたという。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)